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米国の太陽光発電設備が過去最高に

 米国の太陽光エネルギー産業協会(SEIA)と調査会社のウッドマッケンジー(WoodMac)が太陽光発電設備投資/現状について報告書をリリースしました。
 2023年の新規設備投資は過去最高の32GWになると予想されており、現時点設置容量の153GWからさらに20%程度上乗せされることに。直近日本の容量が70GW程度とされるのと比較すると急激に伸びております。

1;Reportでの指摘

 2023年の米国太陽光発電設置容量は前年比で52%増加し、過去最高の32GWに達する想定。規模的には新規設立分の容量だけで英国の全世帯の1年分の電力を充足しうる規模感。
 全米での太陽光発電首位はFL州で23年上半期に2.5GWを新規に発電設備を設置、CA州はそれに次ぐ順位だが容量としては半分程度

2;背景

 COVID-19と米中貿易制限に伴う供給網でのボトルネックが悪影響を及ぼしたが、IRAによる製造業の国内回帰進行が将来見通しを明るくした。太陽光発電総稼働容量は[現在:153GW]から[2028年:375GW]に増加すると予想している。
 商業用/住宅用ともに政府の補助施策に左右されるが、設置増加傾向は持続。2026年に米国のソーラーパネル製造量は現在の10倍になる想定。
 -(商業)EV/バッテリー等を始めとする大幅な設備投資増加による電力需要の伸び(IRAの影響)
 -(住宅)CA州におけるネットメータールールの変更前の駆け込み需要
 商業用はエネルギー価格上昇基調を背景として、IRA税額控除の明確化が進む期待からさらなる成長が望まれ、2023年で11%の成長見込み

3;関係者コメント

●SEIA
-[米国は世界のクリーンエネルギーで支配的位置を占め、FL/TX/OH/GAの各州は雇用増加/投資拡大の最前線にある
-[太陽光発電/蓄電産業は豊富なクリーンエネルギー供給で数百億USDの民間投資を生み出すが、氷山の一角にすぎない]
●WoodMac
-[IRAは太陽光発電業界全体に楽観的な波を引き起こし、国内モジュール製造計画は急増しており将来的に供給は安定するとみられる]
-[現在の課題は設置/稼働で、業界は太陽光発電投資を進めるにあたってIRAの適用条件明確化を待っている]

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