Fordの新EV-PFはRivian/Tesla/中華系への対抗軸を目指す
FordはFY24-2Qの投資家向け説明会でEV事業の現状/戦略についてCEOが詳細説明を行いました。
今年度入り以降25億ドルの損失を新型EV開発で計上していますが、同社肝入りのSkunkWorkチームで開発を進めるEV-PFと同社の強みをかけ合わせてマス向けEVで攻勢をかける計画です。
中国メーカーやTesla/Rivianへの対抗を本気で行う模様です。
1;FordのEV開発の現状
FordのJim Farley氏が7/25の投資家向け説明会でEV戦略について認識を表明
。Fordでは広く知られたEV開発を手掛けるSkunkWorkTeam(Skunk)でTeslaや中国メーカーに対抗する手頃価格/小型EVのPF開発を実行しており、既にマス向けEVを販売するTesla/中国系企業をベンチマークし、FordのPFが優れていて安価EVを提供しうるとした
SkunkではRivian/Apple/Tesla/LucidといったEV企業やArcher/Joby/SuperNal等のeVTOL企業から人員採用をしてチーム組成
及び新型PFに関する発言は以下の通り
(24/01) Farley氏はSWチームが[全く異なるアプローチ/コストで、はるかに小型でLiBと異なる化学組成の動力源を設計している]と説明
(24/02) Farley氏は投資家MtgでSkunkが次世代/低コストEV-PFを開発していると表明。当該チームには[世界最高のEVエンジニア]が含まれていると。
(24/07) 事業説明会で[当該PFが複数の異なるタイプの車両製造をサポートする]とし、その後の投資家説明会ではさらに詳しくEV戦略を表明
今回の声明はFY24-2Q決算で[モデルeEV事業]がさらに11億ドルの損失を出した後に出された。FY24で本事業に関して累計25億ドルの損失を出しているが、新型/低コストなEV-PFで状況を好転させようとしている。
2;FordのEV戦略
7/25の投資家説明会で下記のようにJimFarley氏は述べ、FordのEVの優位性を強調。これまで培った知見/経験の活用による製造コスト圧縮が強みか。
(全体)
Farley氏は[EV開発の旅路は謙虚なものだった]とし、2年半前に始まったEV開発の中で学んだことを次世代EV開発に活かしてきたとする。加えて、[Rivian/Teslaと並んで、中国以外で車両ドメイン全体でSWを管理するついいつのOEM]だとする
FordがEV専業者や他OEMに比べて多くの車種と複雑な事業を持つ点は有利に働いているとする
(車内体験)
多くの企業が車輛エンタメをOTA提供するが、Fordは[パワートレインを更新し、車両コネクティビティの基本性能を破る長年の経験がある]としている
[F-150/Proを含む幅広い車種に応じて、顧客の使用事例はRivian/Teslaに比べて多種多様となっているおり、Rivian/Teslaよりもはるかに複雑]とする。
(優位性と成功要因)
FordのこれまでのEVに係る優位性には2つの要因があると説明している
[1]自力でのEVコンポネント開発
Fordは以前より自身で画期的なEVコンポーネントを設計/開発。生産/量産段階での優位性(安価であることも)を持つと認識
BlueCruiseは既にハンズフリー運転技術を搭載した車両を42万台近く公道走行させている点は証左(車両数はこの四半期で25%増加)
[2]コスト抑制
大衆向けの手頃価格EVセグメントでTeslaや中国系EVメーカーと競合価格を設定する
製品開発/サプライチェーン/製造の一貫したVCで効率的なPFを設計したとする。ターゲット分野として[商用][アウトドア]の2分野に重点をおくとともに、使用材料や部材の少ない小型/手頃価格の車両は利益率が高いともする
3;その他
投資家向け説明会で[中国との関係]を問われたところ、CATLとの協調を指摘。Farley氏はCATLからの技術提供を得てMI州でLFPバッテリーセルの現地製造を推進しており、[部品側でIPのサプライチェーンに深く入り込むことになる]と述べている
Fordに消費者が求める点は[小型車]であり、Fordは自前でPFを持つ点が強みとする。Farley氏は[EV収益性に対する真の適性テストは小型車に集約される。競合他社は、基本的にPFの利用/活用を中国メーカーに依拠しすぎている]とした
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