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自粛警察と私、もしかすると紙一重かもしれない

新型コロナウイルスの影響で外出自粛を強いられるようになってから、「自粛警察」という言葉を耳にするようになった。

なんでも、相手に対して自粛を強要したり、自粛していない人を見つけてSNSにさらしたりするらしい。

それを聞いたとき、「うわー、暇な人がいるもんだな」と、自分とは全く違う人格の人間がやっているのだろうと思っていた。

しかし、ある日の夕方、自分の言動にゾッとすることになる。

私は夕飯の準備をしながら、静かに遊んでいる息子を何気なく見た。

すると、大量の折り紙をくしゃくしゃに丸め、床一面に広げていたのである。

とっさに「ちょっと!何やってんの?!」とイラッとした口調で言ったら、息子がさらにイラっとした口調でこう返してきた。

「今、おだんごを作ってるの!!!」

その言葉に、ハッとした。

息子は、「おだんごを作る」という目的に向かって、もくもくと作業をしていただけなのだ。

それなのに、私は息子の気持ちや状況を知ろうともせず、「折り紙はきれいに折って遊ぶもの」という概念に縛られ、息子の行動をとがめてしまった。

これは、自粛警察がおこる背景にも、同じことがいえるのではないだろうか。

「感染予防には、自粛することが最優先」と信じて疑わず、なぜそのお店が営業しているのか知ろうともしない。

相手に有無を言わせず、自分の正義を押し付ける。

あのとき、息子がイラっとしながら私に言い返してくれて、本当に良かった。

内気な性格の子どもだったり、自分の気持ちを上手に話せない年齢だったりしたら、私は自粛警察と同じ道を歩んでいたかもしれない。

「人の振り見て、我が振り直せ」

何度も聞いたことわざだが、改めて自分の胸に刻みたい。

最後まで読んでくださり、ありがとうございます!