親のエゴに気づいたら息子がコミュ力おばけになった話。

息子は、明るくて誰とでも仲良くできるタイプの子だ。
いわゆる「コミュ力おばけ」だと思う。

「こんにちはー!」と誰にでも挨拶するし、店員さんにも普通に話しかける。
人間は全員友達とでも思っているのだろうか。

ママ友からも「いいよねぇ、○○君(息子)は人懐っこくて」と、しょっちゅう言われる。

しかし、最初からこんな性格だったわけではない。
もっと小さいときは、臆病で人見知りな子だった。

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赤ちゃんの人見知りは、生後6ヶ月頃からはじまることが多い。
息子も例にもれず人見知りがはじまり、私や夫がそばにいないと泣くようになった。

そのあと成長とともに落ち着いたが、どうしても苦手だったのが「子ども」だ。
公園や支援センターで子どもが近づいてくると「いや!」と言って逃げた。

特に子どもが走り回っているようなにぎやかな場所が苦手で、慣れるまで私にしがみついていた。

せっかくお友達が遊ぼうと誘ってくれているのにこの調子なので、お友達に申し訳ないし、親御さんも嫌な気分になっているんじゃないかとハラハラした。

この息子の性格は、どうやったら治るんだろう。
無理にでも子どもが集まる場所に連れていった方が慣れるのだろうか。
いや、でも嫌がっているのに無理矢理というのはどうなんだろう…。
考えても考えても、答えが見つからない。
友達や夫に相談しても、ネットで検索しても、答えがでなかった。

悩みに悩んで、ふと思った。なんで私はこんなに悩んでいるんだろう。

…あ、これは私のエゴだ。「明るくてお友達と仲良く遊べる子がいい子」という、私の思い込みだ。

そう思った瞬間、自分がばかばかしくなった。
親と子どもは違う人間なのに、息子は息子らしく育ってほしいと思っていたはずなのに、いつの間にかコントロールしようとしていた。

そう気づいてから、私は息子とべったり過ごすことに決め、家の中でたくさん遊んだ。
もちろん外出することもあるが、にぎやかな場所はなるべく避けて、花や緑がたくさんある場所に行った。

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それから2か月ほど経った頃、たまたま公園のわきを通りかかったとき、同い年くらいの子どもを見つけて息子が走って近寄っていった。

おい、どうした。珍しすぎる。何があったんだ?と戸惑いながら息子を追いかける。

結局、そのまま楽しく遊び、お友達とバイバイした。

その様子を帰宅した夫に話したが信じられない様子だったので、次の休みの日に3人で公園に行った。
すると、そこでもお友達と仲良く遊ぶ息子の姿があった。

それ以降、臆病で人見知りな息子は消えていなくなった。

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人は、他人を変えることができない。
親子であっても、血のつながりがあろうとなかろうと。

まず子どもの「今」を認めて、受け入れること。
親の価値観を押しつけないこと。
それが息子の場合、自信につながって外に向かっていけたんだと思う。

ときどき見失いそうになるけど、このことは育児におけるポリシーとして私の胸にしまっている。

最後まで読んでくださり、ありがとうございます!