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【千字文0006】モノクロ液晶画面に亜光速の虹を見たあの頃。

この「桔梗屋千字文」は自分自身の興味と好奇心とやる気のままに適当に書くことにしているので、昨日のネタをもうちょい深掘りして連載しちゃうのもアリ、ということで。

昨日、中高の部活で「天文計算のプログラミングやってた」と書いたんですが、具体的に何やってたのか、をもうちょい書いとこうかな、と。誰か読んで楽しい人いるのかこれ…

特殊相対性理論では、観測者の移動が光速に近づくにつれ、ドップラー効果により、自分に近づいてくる物体の色は波長が短くなって青方向に、遠ざかる物体は波長が伸びて赤方向に、色味がずれていきます。「青方偏移/赤方偏移」という奴ですね。

でもって更に、走ってる電車の窓に降りかかった雨が、斜めに流れるのと同様、星の光が次第に進行方向に向かって収束していく現象が発生します。これを「光行差現象」と呼びます。

この二つの現象が同時に起こるため、亜光速で移動する宇宙船から外を見ると、前方に円状の虹の輪が生成されるはず、と、ドイツのオイゲン・ゼンガーが主張しました。これが「星虹」(starbow)です。

科学用語ってのは、しばしば心を揺さぶるかっこよさがありますよな。まして、当時はリアル「厨二」ですし。【その頃にはこんな表記無かったけど】そりゃ、初めて読んだ時には興奮したもんですわ。

でもって、何とかこれを、自分でやってみることはできないもんか…? と思っちゃったんですよな。幸いなことに、特殊相対性理論くらいなら、式もそこまでややこしいことにはならないですし、中高レベルの数学で何とかできるレベルでしたので。

今、当時の部誌が手元に無いので、詳細は記憶に頼るしか無いのですが、確か「天文手帳」に載っていた、3等より明るい星について、スペクトル型【星の色のタイプ。OBAFGKM…って感じで決まっています。太陽はG2V型(オレンジ色)です】の一覧を書き出して、光の波長を各々決め打ちしたんだっけ。この時点で相当の力業ですなー。高校生は恐れを知らんなー。

で、ここから各波長のデータを、宇宙船の航行速度によって設定した変換式に流し込んで一覧作って、全天恒星図使って分布させたんだっけか。

なんかいろんなところを無理やり仮定して作ってるので、間違いなく間違っていて、学術的価値はゼロなんだけど…ま、当時は誰も正しいかどうか確認しようが無かったし。

でも実際、虹っぽいデータは採れたしな。よく頑張った私立文系の俺様。

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