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【エッセイ】老舗食堂の「中天ラーメン」

最近、揚げ物が食べたくなることが増えた。

もともと、小さい頃から大好きだったが、食べ過ぎて太りすぎたため、極力控えていた。結果、20才の頃に15キロのダイエットを達成した。

以来、リバウンドが恐くて約20年の間「揚げ物熱」を封印していたのだが…
少し前の「唐揚げブーム」以来、気が緩んだようだ…

昨日も、超高カロリーなんだけど、美味しいものに出会ってしまった。

メニューの名前は「中天(ちゅうてん)ラーメン」。
「中華そば」と「天ぷら」の頭文字を取ったネーミングと思われる。

出会った場所は、ある漁師町の食堂だ。
その店は、ラーメン、そば、うどん、丼もの、カレーなど「がっつり系」(しっかり食べたい人向け)のメニューが揃っている。

お昼時だったので、店内は、スーツ姿の営業マンや作業着姿の人、近所の老夫婦など地元の人たちで賑わっていた。

私も何回か食べたことがあるが、いつも中華そばを食べていた。スープ、麺、チャーシューいずれも好みだからだ。

だが昨日は、違った。朝ごはん控えめで、おやつなしだったのでお腹が空いていた。
なので、前から気になっていた「中天ラーメン」をセレクト。
「午前中もあんまり食べてないし、晩ごはんも軽くすれば良いだろう」と思った。

注文から数分後に、中天ラーメンがテーブルに置かれた。
醤油と天ぷらの匂いが湯気にのせられて、私の鼻をくすぐった。

早速、箸を手に、スープの中に隠れた麺を引っ張りあげると、黄色の細いちぢれ麺が出てきた。好みのタイプ…思わずニヤリとしてしまう。

麺を口にすると、中華そばの濃厚な醤油味と、天かすの油っこさが絡む。何とも言葉には言い表せないような幸せな気持ちになった。

そのまま夢中で食べきったことは言うまでもない。後ろめたさもあったけど、幸せな時間だった。

また食べたいな~と思った。
家や職場の近くにあったら常連客になっていると思う。
そして、周りで食べている地元のお客さんが羨ましくなってしまった。

(余談ですが…夕食は普通に食べました…。)