【エッセイ】ゴールデンウィーク出かける予定はなかったけど
2024年のゴールデンウィーク。
わたしは出かける予定もなく、出勤したり(シフト制の職場)、家族の入院手続きのため大学病院に行ったりしていた。
今日は休みだったが、特に予定がない。雲一つないいい天気で、出かけるにはもってこいだったが、年度初めの仕事の疲れがドッと出てきて、朝から心が重たかったし、体もコチコチに固まっていて、気力がわいてこなかった。
そこで出かけずに、家で気になっていたことをやることにした。
それは家の周りの草取り。
我が家は庭はないのだが、通りに面したアスファルトを突き破るように雑草が生えていた。
朝、ゴミ出しに行くたびに「めくさい(※「みっともない」の方言)」と感じていて、いつか取ろうと思いながらも後回しにしていたのである。
その間に季節が進み、彼らはぐんぐんと成長していた。さすがに無視することができずに、草取りに着手した。
アスファルトの割れ目に鎌の先を差し込んで、もくもくと根っこから草を取る。
草の間には蟻の大軍がいたり、風で飛ばされてきたタバコの吸い殻が出てきたりと顔をしかめたくなる瞬間もあった。
だが、草やゴミを取り袋に入れ終わると、きれいになっていて、スッキリした。
50坪弱の狭い土地なので、作業は30分程度で終わり、外水道で鎌と軍手を洗い終わり、ほっと一息つく。
ふと、心と体が軽くなったような気がした。
草取りの前には重くてだるかったのが、たった30分の草取りでリフレッシュしていたのだ。
ちょっとでも自然と触れ合ったからなのか、それとも草取りを終えた達成感からなのか。
疲れていたはずのわたしは、途端にやる気がわいてくるのを感じた。そして、油汚れが酷くて見て見ぬふりをしていた台所の換気扇掃除を始めた。
マジックリンをほとんど使い切ったが、換気扇の油汚れが落ちて、ベタベタがなくなった。
すると達成感からか、美味しいビールが飲みたくなり、つまみにギョウザを作ることにした。
せっかく換気扇を掃除したのに…
ギョウザもいつもは冷凍食品を焼くだけなのだが、今日は中の「あん」から作った。
焼き上がりはパリッとした歯ごたえで、大成功!
この上なく美味しいビールをいただくことができた。
そして最後にこのnoteを書き上げて一日を終える。
何も予定がない一日が、どこにも出かけていないのに大充実の一日に変わった。
連休明け、職場では「連休どこか行った?」と聞かれたり、出かけた人からお土産をもらったりするだろう。
今年のわたしは、どこにも出かけていないから、お出かけ話のネタもないし、渡せるお土産もない。
けど自分では充実した休みだったと思うので、胸を張っていられる気がした。