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【エッセイ】自分が思うほどに他人は気にしていない

週末に美容院に行った。一番の目的はカラーリングだった。

私の髪は黒髪だが、なぜか右前頭部にだけ白髪が集中している。(何と、小学生の頃からの白髪持ちである!)
なので、カラーリング必須。今までは日中の会社勤めのことも考え、目立たない自然な感じの茶色か、アッシュ系の色にしていた。

赤くなりやすい髪質で、色が落ちると赤みが増す。今回、美容院に行く前は、髪全体が赤っぽくなり、根元が黒くなっていた。さらに、前に染めた時は夏だったので、いつもより明るめの色にしていた。よって季節的にも浮いてきていた。
だが、季節は秋。とにかく全体を秋色に染めねば!と、美容院に駆け込んだのだ。

昨日は初めて担当になった美容師さんだった。色を選ぶ段階で、ピンクを勧められた。私は、ピンクは初めてだった。
たまには違う色もありかと、トーンを2段階暗くしてやってみた。

カラーとカットが終わり、美容院で鏡を見たときは何とも思わなかった。特にこだわりもないので「白髪が目立たなくなって良かった~」なんて呑気に思っていた。

ところが、である。
家に帰り、自然光の中で鏡を見たら、想像以上に髪のピンク色が出ていた。
トーン暗くしたのに…
もしかしたら色の出方にも個人差があるのかもしれない。

とたんに次の日の出勤が憂鬱になった。職場は、落ち着いた雰囲気。そして仕事の半分は、年配の人接客だ。
この髪の色で行くのか…

次の日の朝、重い足取りで出勤した。
だが、同僚やお客さんと話していたが、特にいつもと変わらなかった。普通の日常…
いつの間にかピンク色の髪のことも忘れていた。

1日を終えると、「自分が思うほどに他人は気にしていない」ことを実感した。
ホッとしたと同時に、自意識過剰な自分に恥ずかしくなった。

そして、書く時にも同じことを思ってたことに気がついた。noteを始めたばかりの頃は、書いて発信するのが恥ずかしかった。
「こんなことかいて笑われないかな」「周りの人にばれたら恥ずかしい」「炎上したらどうしよう」…

今思えば、別の意味で恥ずかしいくらいの自意識過剰さである。
「書けない」ブロックが外れたのは、ライター江角悠子さんの講座だった。
「自分が思っているほど他人は見ていない」という言葉をきっかけに、積極的に発信するようになり、書くことが楽しくなった。

話をピンク髪に戻す。ピンクで1日過ごすうちに、色が気に入ってきた。他人の目を気にしすぎてたんだとはっきりわかった。

別に見るからにピンクでもないからいいや。

いずれすぐに髪の毛の色は落ちる。それまでのわずかな間だけでもピンクをまっとうしよう。と思えた。