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【エッセイ】港町・石巻出身の人に嫁いで知った、刺身のおいしさ

今日、職場で嬉しいことがあった。同僚から「青森産ホタテ」のおすそ分けがあったのだ。昨日届いたばかりだという。

貝殻から貝柱を取ってくれていたので、その場で食べた。直径4センチほど、厚みは1センチ以上ある貝柱が2つ。
噛むと歯ごたえがあり、噛みしめるたび、ほのかな甘みが口の中に広がった。お刺身大好きな私は、「今日出勤でよかった~♪」と、新鮮な青森産ホタテを食べられた幸せを感じていた。

私が魚、とくにお刺身を好きになったのは「結婚」がきっかけだったように思う。夫が宮城県の港町、石巻(いしのまき)の出身なので、魚を食べる機会が格段に増えたのだ。

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(石巻・牡鹿半島の「黄金寿司」の海鮮丼。魚はもちろんのこと、油揚げを甘じょっぱく味付けしたもの、お米も美味しい)


夫の実家は、港町石巻の中でも、海に近い地区にある。近所のローカルスーパーは仙台とは比べ物にならないくらいに、魚売り場が充実している。地元産と書かれた魚が多く、見た目も新鮮だ。いつもお客さんで賑わっている。

また、近所の魚屋さんでは、採れたての魚を刺身にしてくれる。私たち夫婦が泊まりに行くと、義実家では、そのお店の「おまかせ」で作った刺身や、ローカルスーパーで買ったワカメや昆布を使った味噌汁や煮物を用意してくれている。(そして地酒「日高見」をはじめとする日本酒も!)

そうなると、自然と新鮮な魚を口にする機会が増えてくる。
中でも、私の中で衝撃的だったのが「アワビ」だった。

昔、お寿司のネタでもアワビが苦手だった。コリコリしていて固く、味がわからなかった。正直「なぜアワビが好きな人が多いのだろう」と疑問に思っていたくらいだ。

ところが、石巻のアワビを食べたら感覚が変わった。

義実家近くの魚屋さんのアワビは、張りがありつつも柔らかかった。そして海特有の甘みがあった。
そのとき「とれたてのアワビ本来の味はこんなにも美味しいのか!」と知った。今までの「アワビ観」が覆った気がした。

おそらく、今まで私が食べていたアワビは、鮮度がだいぶ落ちていたのだろう。以来、アワビがでると真っ先に手を伸ばしてしまう…義実家なので遠慮しながらww

新鮮なものを食べて初めて、本当のおいしさが分かるものなんだなと、義実家に行くたびに思う。

残念なのは、私がお酒に弱い体質だということだ。
義実家メンバーは揃って、お酒に強い。日本酒を持ち寄っては飲み比べを楽しみ、刺身を美味しそうに食べている。
一方の私は、すこし口にしただけで真っ赤になってしまう。(父親と同じ体質だ)

その光景を見るたびに、お酒と刺身のコラボレーションを体感してみたいなと思う。