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【#エッセイ】魅惑のフルーツサンド

ここ半年ほどの間「フルーツサンド」をよく見かける。
食パンの間にたっぷりと、果物と生クリームがぎっしりと詰めこまれている。ブドウ、イチジクなど果物、たっぷりの生クリーム、見映えもかわいい。タウン誌や、webサイトにのっている写真を見るたびにときめいてしまうものの、食べたことがなかった

最近、「フルーツサンドで有名なスーパーがある」と聞いた。そのスーパーMは、精肉売場も充実しているらしい。肉好きとしては行かずにはいられない。
家からは離れているので、初めてのスーパーだったが、たまたま近くに用事があったので、寄ってみた。


スーパーMに着いたのは13時ごろだった。10台ほどの駐車場は、ほとんど埋まっていて、残りの1台に停めることができた。
混んでいたのは、フルーツサンド目当てのお客さんもいるのだろうな。

店に入ると、入り口が果物コーナーで、メロンの甘い香りがした。「これは間違いなく美味しい」と期待が高まる。

キョロキョロと、フルーツサンドを探しながら、並行して買い物。野菜をかごにいれていく。今晩の夕食なんだけど、正直思い浮かばない。お昼に食べたラーメンでお腹いっぱいだし、フルーツサンドは気になるし。

ひとり暮らしだったら、一直線でフルーツサンドを探しに行くんだろう。結局、安売りになっていた一玉98円のキャベツと、800gの特大パックで754円の豚こま肉をかごに入れた。野菜炒めにでもするか。精肉売場は、評判通り充実した品揃え。近所に住んでいたら通いたい店だ。

…などと思っていると、何人か人が集まっているのが目に入った。
フルーツサンドだろうか?近づいていくと、棚は、ほとんど空っぽだった。どうやらフルーツサンドコーナーらしい。


唯一残っていたのは、マンゴーだった。縦半分に切ったマンゴーと生クリーム…う~ん、食べたいっ!

3つ残っていたが、不思議なことに誰も手を出さない。

夫が1つ取ってカゴに入れようとした瞬間だった。
値札を見て仰天した。
「1500円」税込1650円だった。

「ちょっと待った!」
彼は値段を見ると、とっさに棚に戻した。
道理でみんな手を出さないわけだ。

よくよく説明を読むと「国産マンゴー」を使っているようだ。
そりゃこんな値段になるわけだ、と思わず納得。

1650円あれば、お昼のラーメン何杯食べられるだろうか…なんて庶民で、貧乏性の私は考えてしまう。結果、煮干しだし醤油ラーメン2杯の他、ミニチャーシュー丼まで食べられることに気がついた。

今日は、フルーツサンドは諦めようと思えた。ちなみに、後でネットで見たところ、イチゴ、メロン、甘夏などの種類がある。クリームにはマスカルポーネチーズも入っているらしい。値段は400円から500円ほどのようなので、私でも買えそうだ。

帰りにレジにいた店員さんに「フルーツサンドは、何時くらいに来たらありますか?」と聞いてみた。「10時ごろに入ってきて、11時くらいにはなくなることが多いですね~」と言っていた。

その時間にくるとなると、家を9時30分に出ると間に合うかな…なんて、リベンジ計画を考える。ビジュアルは見たものの、手が届かなかった。ますます、スーパーMのフルーツサンドへの憧れは、つのるばかりだ。