みちのく潮風トレイルが5周年だって!〜トレイル歩いて人生が変わった話〜
こんにちは。
今日の宮古は海風が入って過ごしやすい1日でした。
さて、皆さんは「みちのく潮風トレイル」というロングトレイルの名前を知っていますか?
みちのく潮風トレイルとは
ロングトレイルとは人が歩く道のこと。
「みちのく潮風トレイル」は、青森県八戸市から福島県南相馬市までの1000キロを超える日本が世界に誇るナショナルトレイルです。
日本や世界には様々なロングトレイルがありますが、ぜひ1度は1区間でも歩いてみてほしい、魅力あるトレイルだと思っています。
ちなみに、TOPの画像は大槌町と山田町の間にある鯨山頂上から。ちょうど晩秋で紅葉の中のトレイル歩きでした。
歩き方って??
楽しみ方や歩き方は自由。
端から端まで泊まり掛けで歩く「スルーハイク」をするも良し。
歩きたいところを少しづつ歩く「セクションハイク」も良し。
途中、公共交通機関や自転車、カヤックに乗ってワープするのもあり。
歩いてみると、自分の住んでいる故郷も別な目線で見え、新たな発見が沢山あり、「何もない」と思っていた地元もなかなか面白いなぁと思いました。
いつかおすすめな歩き方をご紹介しますね!
私は前職で、このロングトレイルの取り組みをお手伝いさせていただきました。ルート上の地域の方と話し合いや調査に行ったり、歩道調査をしたり、時には実際にルートを歩いて取材をしたりと、仕事を通して沢山歩かせていただきました。
思い入れのあるみちのく潮風トレイルが5周年とのことで、私自身とても嬉しく、さらに長く愛され続けるトレイルに育ってくれるといいなと陰ながら応援しています。
トレイルでの出会い
景色も美しい場所が多いのですが、このトレイルの魅力は「人」だと思っています。実は私、このトレイルで地域の方々との出会いを通して人生が変わりました。
それまでも、地域に関わる仕事をしてきたのですが、故郷の抱える課題みたいな部分を当たり前だと思って過ごしてきました。
人口減少や都会との格差などなど…、「どうせ田舎だから仕方ないよね」「震災もあったから」なんて他人事のように思いながら暮らしていて、いつかチャンスがあったら都会に出ようかな…なんて思ったり。
そんな私がトレイル旅をして出会ったのは、震災を経験した大人達でした。
階上町で出会った民泊のお母さんは、農業体験を受け入れて地元の豊かな自然や暮らしの体験を提供し、その地域の魅力を伝える活動をされていました。
田野畑の駅で出会ったお母さんは、自分の故郷のことを自慢して素敵な歌を披露してくれました。
釜石の旅館の女将さんは、震災の経験を伝える活動や街興しに一生懸命で、夢を沢山語ってくれました。
女川で出会った若い人たちは、街の課題に貢献し復興の一助になろうと頑張っていました。
他にもたくさんの大人と出会ったけれど、誰ひとり自分が住むまちや故郷のことを「どうせ…」なんて言う人はいませんでした。
「こんな素敵な大人が三陸には沢山いるんだ。」
「私ができることはもっと沢山あるよね。」
「私にしかできないこともきっとあるはず。」
恥ずかしく思うと同時に希望みたいなものが見えたような気がしました。
大人の背中は大事!
一番印象的だったのは、旅館の女将さんが「子供達には何年かかっでも、いつか必ず自分の学んだことややってきたことを、故郷に還元してほしいし、それが一番嬉しい。」と話していたことでした。
私が高校時代、進路を決める時期に「ここは何もないから、帰ってこないほうがいい。都会で就職したほうが幸せ。」なんて言う大人が当時近くにいたからもう衝撃的で…。
でもよく考えてみたら、自分も大人になって故郷から若者がどんどん離れていってしまっている現状は少し寂しい気がしたし、だから自分も「未来の希望」が見えなかったのかも…と実感しました。
この出会いがなかったら、この気づきがなかったら、私は今も未来に希望を持って生きていなかったし、故郷を離れていたかもしれないな。
今そう思っています。
それから私は、大学に編入して改めて教員免許を取得したり、興味があることにはどんどん挑戦して、自分がやりたいことを探しながら、今やっと故郷に根づこうとしています。
色々遠回りしてきたけれど、同じ地域で前を向いて頑張っている大人達や応援してくれる大人達の背中を見て、「私も頑張ろう」「故郷に還元しよう」と思い突き進んでいます。
そして、最近は若い人達と変わることが増えたり、子育てが始まったりして、私の背中もきっと子供達は見ているんだろうなと思うこともあります。
大したことはできないけれど、未来ある子供達に対して恥ずかしくない生き方をしたい、誇れるような故郷にしたい、そう思っています。
すぐそこにルートはあるのになかなか歩けずにいますが、もう少し子供が大きくなったら、今度は子供と一緒にこの道を楽しみたいなと思っています。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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