見出し画像

17 初めての卒業生

教え子の二十歳のつどいに初めて参加しました。
令和4年4月より18歳に成人年齢が引き下げられたことで、「成人式」という言葉は形を潜めていくのでしょう。寂しいような。

新二十歳の若人(新成人ではないし、なんと呼称すればいいのか?)たちの卒業を見届けたのが、5年前。
もう5年も経つのか、と。
時の流れの早さを感じます。

初めて担任して、初めて卒業まで持ち上がった学年。思い入れもたくさん。
今日、「先生、名前覚えてる?」なんて何人にも聞かれたけど、忘れるわけがない。

あのとき、こんな会話をした。
あのとき、こんなことを言ってくれた。
あのとき、こんなことをしてくれた。

一人ひとりにそんなエピソードだって伝えられる。
それくらい特別な存在なんだ、教え子は。

卒業式の前々日。お楽しみ会の日。
当時の生徒会長が、「答辞の最後の「ありがとうございました」は、みんなで言おうよ!」と提案した。
これまで学年主任の願いの下、何事も「みんなで」取り組んできた学年。
その集大成を、あの一言とその後の卒業生の考動から感じた。

卒業式の前日。最後の学年集会。
「君たちとの思い出が楽しすぎて、これから前に進んでいけるか不安だ…。けど、それじゃ、これからも成長していく君たちに申し訳が立たないから、君たちとの日々を越えられるよう、僕もがんばる」
そんな言葉を残した。
私にとって、この素晴らしい学年が「基準」なのだ。
今ならもっと、もっと彼らのために何かができるかもしれない。あの頃は今よりもずっと未熟で、嫌な思いばかりさせていた。
だから、彼らに報いるためにも、私はがんばる。

そして、卒業式。
最高の卒業式だった。あの感動は、ずっと心に刻まれている。
私のもつ言葉では、表現がしきれない。

そんな5年も前のことを鮮明に振り返っていた。
もうすぐ3学期。活力を得た。彼らとの誓いを果たし、目の前の生徒のために全力を尽くそう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?