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母の日とマニキュア


わが家には母の日は存在していない。


他のお家の母の日エピソード聞くと「ええなぁ」と思ったりもします。
でも、わが家にはないのです。
子ども達が幼稚園児くらいの時は、園で似顔絵を描いてきたなぁと思います。
それが、母になった自分と追いついてないようで、こそばゆかった気がします。「あ、私がお母さんなのか」って。

私は実家の母と、夫の母と、宅配で届くように手配するのが毎年の事でした。
お得な父の日とのセットがあれば、それも注文して。


でも、今年は送れなかった。
実家に送らずに、義実家だけに送るのができなかった、寂しくて。
なので、夫に持って行ってもらうことにする。
行きもしない、恩知らずの嫁なのだった。

思い返せば、お母さんに大したものを送ってこなかったなと思う。
お花とか食べ物とか、そんなのばっかりだった。
もっと何が欲しいか聞いて、喜ぶものを送ってあげればよかったなと思う。
「いつもありがとう」ってテンプレのメッセージを贈る形ばっかりの母の日だった。

小学生の時、母の日にマニキュアを買った。
お兄ちゃんと一緒に買いに行って、何色がいいか真剣に考えた。
そして、ちょっとパールが入ったくすんだピンクを選んだ。
めちゃくちゃおしゃれだと思ったんだ。
でも、お母さんがマニキュアを塗ったのは見たことがなかったんだ。

いつか使ってくれるかなって、そわそわしても、一向にお母さんの爪はいつものままだった。

でも、寝る部屋にあるお母さんのドレッサーの引き出しには、マニキュアが入っていた。
時々その引き出しをチェックしては、まだ捨てられていないってホッとしていた。
どうして使わないのか、聞くことはできなかった。

でも、今の私も同じだろう。
もしマニキュアをもらっても、大事にしまっておくだろう。
ふだん塗らないし、そのもらった気持ちが大事だと思う気がする。
でも、贈った側は塗って喜ぶ姿がみたいんだよね。

そうやっていろんなことを考えてみても、わが家には母の日はないのだった。
それが、とても気楽だったりもします。

でも、「ありがとう」って伝える事ができる。
それが尊くて当たり前ではないと、今は思います。

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