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NHK文化センター青山「スージー鈴木の日本ロック人国記」(計6回)のご案内

NHK文化センター青山で、この4月から新講座を立ち上げます。題して「スージー鈴木の日本ロック人国記」

「人国記」(じんこくき、と読みます)とは「国別または府県別に、その地方出身の著名な人物を評論した記事、または書物」のこと。転じて今回は、音楽家の出身地別で日本ロック史を分類して論評するという新しい試みの講座です(お申込みは下記リンクから)。

楽器系や音楽理論系ではない、普通の講義スタイルによる講座は、2021年秋から半年間、開催した「ドーナツ盤で体感するニューミュージックの歴史」以来となります。

「ドーナツ盤で体感するニューミュージックの歴史」吉田拓郎回スライド

発想の源は、日本ロック史の捉え方として、極めて広く普及している「東京中心史観」への疑念です。これは、かねてから私が指摘している「はっぴいえんど中心史観」と似た意味合いなのですが、とにかく「日本ロックのすべては、東京の良家の子女から始まった」とする歴史観です。

もちろん、この歴史観には、一面の真理があります。細野晴臣に代表される、同史観の登場人物が能弁で知的で、だから書かれやすく・広まりやすく、結果「通史」として解釈しやすいことが大きいと思われます。

ただ「地方史観」も重要だと思うのです。というか私は、日本ロック史とは「地方主導で革新されたロックのイノベーションが、東京で組織化・ビジネス化されてきた歴史」ではないかという仮説すら持つのです。

(講義日程・仮)
・2023/04/19(水):日本ロックの首都、広島
・2023/05/17(水):先進性と大衆性が融合する福岡
・2023/06/21(水):反骨精神の大阪・京都
・2023/07/19(水):新しい風が吹く横浜・湘南
・2023/08/30(水):北関東・沖縄・北海道
・2023/09/20(水):そして東京

そこまで強く言い切るのは、まずもって「広島が日本ロック史の首都である」という確信があるからです。もちろんその中心には、吉田拓郎と矢沢永吉がいます。さらには西城秀樹、浜田省吾、世良公則、原田真二、吉川晃司、奥田民生……。

着目するのは、その影響力です。はっぴいえんど系と比べて、彼らは一気にメジャーになり、結果、多くの人々の心に作品が響き渡りました。それはなぜなのか。まずはこのあたりを解明したい。

続いて福岡。ハプニングス・フォー、井上陽水、チューリップ、甲斐バンド、海援隊、長渕剛、シーナ&ザ・ロケッツ、チェッカーズ……と、こちらも高い影響力を持った音楽家が連なります。総じて、先進的な音楽的を持ちながら、とても大衆的で分かりやすいのはなぜか。広島が日本ロック史の首都なら、こちらは「準首都」。

逆に関西勢は、人口対比で見た場合、影響力が想定的に大きくないのかもしれません。ただ、とりわけ京都に限定すると、ザ・フォーク・クルセダーズとザ・タイガース(驚くべきことに、地理的にもとても近いところで生まれています)、またフォークルが軸となった関西フォーク勢や、のちの沢田研二が日本ロック界に及ぼした功績はかなり巨大です。

そして神奈川県=横浜・湘南。東京よりも先端的な音楽シーンを誇った横浜で、米軍基地を背後に、最新の洋楽を生のまま産地直送したザ・ゴールデン・カップスが生み出したものは何か。加えて、ある意味、日本ロック史最大のキーマンといっていい加山雄三と桑田佳祐を擁する湘南サウンドの流れを追いたいと思います。

これらの「地方」を軸としつつ、北関東・沖縄・北海道、その他地区も概観した上で、これら地方の中における「東京ロック史」をも見定める――。

どんな内容になるか、私も想像が付きません。でも、日本ロック史に対する新しい視点が共有できるであろうことはお約束します。うまく中身が煮詰まれば、書籍化もと企んでいます。

また、レコードプレイヤーといいスピーカーも用意して、会場のみ講義ですので、一部内緒の秘蔵音源や映像も含め、いい音で歴史を分かち合います。

現在、すでに10人ほどのご登録をいただいておりますが、30人ぐらいまでは余裕で入れると思いますので、これを機にぜひご検討くださいませ。よろしくお願いします(お申込みは下記リンクから)




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