見出し画像

不思議の国のアリス|翻訳06(第3章 コーカス・レースと長い話②)

・はじめに
英文がスッと読めるようになりたくてアリスで英語勉強しています。
頭の中を整理するための訳なので、直訳ぎみで日本語がおかしい箇所があります。

最初から→不思議の国のアリス翻訳01
前回→不思議の国のアリス翻訳05

Chapter III
a caucus-race and a long tale(コーカス・レースと長い話②)

“But she must have a prize herself, you know,” said the Mouse.
“Of course,” the Dodo replied very gravely. “What else have you got in your pocket?” he went on, turning to Alice.
“Only a thimble,” said Alice sadly.
“Hand it over here,” said the Dodo.

「でもアリスもご褒美をもらうべきじゃないですか。そうでしょう?」とネズミ。
「もちろんだとも」とドードーはとても重々しく返事をした。「君のポケットには他に何かないかね?」アリスに振り返り、続けて言った。
「指ぬきしかないの」アリスは悲しそうに言った。
「それを渡してもらえるかな」とドードー。

• gravelyグレイヴィ(重大に、厳かに、いかめしく)
• replied(replyの過去形・過去分詞。答える、返事をする、応答する)
• thimbleスィンボウ(裁縫用の指ぬき)
• Hand it over(それを渡してください)

Then they all crowded round her once more, while the Dodo solemnly presented the thimble, saying “We beg your acceptance of this elegant thimble”; and, when it had finished this short speech, they all cheered.
Alice thought the whole thing very absurd, but they all looked so grave that she did not dare to laugh; and, as she could not think of anything to say, she simply bowed, and took the thimble, looking as solemn as she could.

みんなはアリスの周りにもう一度集まって、ドードーは厳かに指ぬきをプレゼントした。「私たちから、この見事な指ぬきを受け取ってもらえないだろうか?」と短いスピーチを言い終わり、全員は歓声を上げた。アリスはこんなことすごく馬鹿げていると思ったが、みんなとても真面目な雰囲気だったので笑う勇気はなかった。アリスは何も言うことを思いつかなかったので、軽くおじぎをして、出来るかぎり真面目に指ぬきを受け取った。

• acceptanceアクセプタンス(受け入れること、承諾)
• elegantエレガント(格調の高い、優雅な、上品な、見事な)
• absurdアブサードゥ(ばかげた、ばかばかしい、不条理な、理不尽な)
• grave(墓場、死に場所、厳粛な、重々しい、深刻な、由々しき、重症な)
• dareデア(あえてする、思い切ってする、する勇気がある)
• bowバウ(頭を下げる、おじぎする、会釈する、膝を曲げる、腰をかがめる)
• solemnソルム(重々しく、厳粛な、真面目な)

The next thing was to eat the comfits: this caused some noise and confusion, as the large birds complained that they could not taste theirs, and the small ones choked and had to be patted on the back. However, it was over at last, and they sat down again in a ring, and begged the Mouse to tell them something more.

その次はコンフィット(菓子)を食べ始めたのだが、大きな鳥はよく味わうことが出来なかったと文句を言い、小さな鳥はのどに詰まらせて背中をトントン叩いたりと、騒々しいことになった。そしてようやく全員食べ終わり、再び輪になって座り込んで、ネズミにもっと何か話をしてほしいとせがんだ。

• complainedコンプレイン(不平、不満を言う、文句を言う、愚痴を言う)
• chokeチョーク(喉を詰まらせる、窒息させる、絞殺する、息の根を止める)
• patted(軽くたたく)

“You promised to tell me your history, you know,” said Alice, “and why it is you hate—C and D,” she added in a whisper, half afraid that it would be offended again.
“Mine is a long and a sad tale!” said the Mouse, turning to Alice, and sighing.

「ネズミさん、陸についたらあなたの過去を話してくれるって言ったわよね?」とアリス。「なんであなたが嫌いかって・・・例のCとDのことよ(catとdogのこと)」また怒らせてしまうと不安になってこっそり囁いた。
「ぼくの長い悲しい“物語(tale)”!」とネズミはアリスに振り返ってため息をついた。

• whisper(囁く)
• sighingサイイング(sighサイの進行形。ため息をつく。)
• tale(物語、話)

“It is a long tail, certainly,” said Alice, looking down with wonder at the Mouse’s tail; “but why do you call it sad?” And she kept on puzzling about it while the Mouse was speaking, so that her idea of the tale was something like this:—

「確かに長いしっぽ(tail)ね」とアリスはネズミのしっぽを見て驚いた。
(※本当はtale「物語」と言っているけどアリスはtail「しっぽ」と聞き間違えている)
「だけどなんで悲しいと言ったの?」ネズミが理由を話している間、しっぽがなぜ悲しいのか、アリスはこのように考えていた。

画像1

【メモ】
※上記の長いAAのようなものは、アリスがネズミの話を聞き流しながら「悲しいしっぽ」とは何かと妄想している表現で、ネズミさんのお話がしっぽのようにくねくねしちゃってるってことだそうです。

(↓読みづらいのでまとめたのがこちら↓)

“Fury said to a mouse, That he met in the house,
‘Let us both go to law: I will prosecute you.—Come, I’ll take no denial: We must have a trial;For really this morning I’ve nothing to do.’
Said the mouse to the cur,
‘Such a trial, dear sir,With no jury or judge, would be wasting our breath.’
‘I’ll be judge, I’ll be jury,’ Said cunning old Fury:
‘I’ll try the whole cause, and condemn you to death’.”

「フューリーのいう犬は、家で出会ったネズミに言った。
『俺たち二人で裁判をしよう。お前を告訴する・・・こっちへ来い。嫌とはいわせないぞ。今朝は何もすることがないんだ。裁判するぞ』
ネズミは薄汚い犬に言った。
『裁判なんてそんな、犬殿。陪審員も裁判官もいないのに。無駄な言葉を費やすだけですって』
『俺が陪審員で、俺が裁判官だ』老犬はずる賢く言った。
『俺がとことん突き詰めて、お前に死刑を言い渡してやる』」

【メモ】
◆ Furyについて
怒りとかの意味だけど、犬の名前?
今まで動物の名前の描写がなかったのにいきなり名前が出てきて混乱する。
(名前があるのは家で飼われているから?他の動物に名前がないのは野生の動物だからかもしれない)

• law(法律、法、自然律、理、自然法、ロー、法律業、法則、法令、条例)
• Fury(狂乱、猛威、激怒、激高、憤激、激憤)
• prosecuteプローサキュート(起訴する、告訴する、訴追する、請求する、要求する)
• denialディナイル(否認、否定)
• curカー(〔けなして〕雑種犬、野良犬、薄汚い犬、たちの悪い犬〈軽蔑的〉臆病者、卑劣漢、げす)
• juryジュリー(陪審員、陪審員団、陪審員)
• judge(審判員、判事、裁判官)
• wastingウェイスティング(wastの進行形。無駄にする、浪費する、衰弱する)
• breath( 息、呼吸、一息)
• be wasting our breath(言うだけ無駄、無駄な言葉を費やす)
• cunningカニング( 狡猾な、ずる賢い、悪賢い、ずるい、狡猾さ、横着、悪知恵)
• condemnコンダーム((公然と・厳しく)非難する、糾弾する、非難する、言い渡す)

“You are not attending!” said the Mouse to Alice, severely. “What are you thinking of?”
“I beg your pardon,” said Alice very humbly: “you had got to the fifth bend, I think?”
“I had not!” cried the Mouse, sharply and very angrily.
“A knot!” said Alice, always ready to make herself useful, and looking anxiously about her. “Oh, do let me help to undo it!”

「キミ、聞いてないだろ!」とネズミは厳しくアリスに言った。「一体何を考えてるんだよ?」
「ごめんなさい」アリスはとても謙虚に謝った。「くねくね曲がった5つ目の所からよね?」
「こんがらがってきたぞ!」ネズミはとても怒って刺々しく叫んだ。
「こんがらがったですって!」アリスはいつも役に立てるよう準備しているので、心配して「まあ、それをほどくのを手伝わせてちょうだい!」

【メモ】
※アリスはネズミの「物語(tale)」を「しっぽ(tail)」のことだと勘違いしているので、今度は「I had not」を「knot(結び目)」と聞き違えて、しっぽが絡まっていると思ってしまった。

• humblyハンブリー(謙虚に、謹んで、恐れながら)
• bend(曲げる、曲がる、(道・川などの)方向が変わる)
• knot(結び目、もつれ、結び、結、瘤、もつれる、からまる)
• make ready to(~の準備をする)

“I shall do nothing of the sort,” said the Mouse, getting up and walking away. “You insult me by talking such nonsense!”
“I didn’t mean it!” pleaded poor Alice. “But you’re so easily offended, you know!”
The Mouse only growled in reply.

「そんなことごめんだね」そう言って立ち上がって歩いて行ってしまった。「くだらないことを言って、ぼくに失礼だ!」
「そういう意味じゃないのよ!」可哀想なアリスは言い訳した。「けど、あなたってすぐ怒るのね、でしょう!」
ネズミは唸り声で返事をした。

• insultインサルト(侮辱、誹謗、無礼、悪口)
• pleadプリード(訴えた、申し立てた、言い訳した)
• growlグラウル(うなる、低く怒った声で、怒鳴る、ガミガミいう)

“Please come back, and finish your story!” Alice called after it. And the others all joined in chorus “Yes, please do!” But the Mouse only shook its head impatiently, and walked a little quicker.

「お願いよ、戻ってきて最後までお話を聞かせてちょいだい!」アリスは後を追いながら呼びかけた。他の動物たちも加わって「そうだ、お願いだよ!」だけどネズミはイライラしながら頭を振り、少し歩きを速めた。

• shook(shakeシェイクの過去形。振る、動揺させる、心をかき乱す、揺さぶる、揺る、震わせる、震える、揺れる、ブルブルする、揺らぐ)
• impatientlyインペーションプリィ(我慢できずに、いらいらしながら、むずむず、やきもき、もどかしそうに)
• quickerクイッカー(より速く)

“What a pity it wouldn’t stay!” sighed the Lory, as soon as it was quite out of sight. And an old Crab took the opportunity of saying to her daughter “Ah, my dear! Let this be a lesson to you never to lose your temper!” “Hold your tongue, Ma!” said the young Crab, a little snappishly. “You’re enough to try the patience of an oyster!”
“I wish I had our Dinah here, I know I do!” said Alice aloud, addressing nobody in particular. “She’d soon fetch it back!”
“And who is Dinah, if I might venture to ask the question?” said the Lory.

「気の毒にね。行ってしまったよ!」ヒインコはネズミが見えなくなると、ため息をついて言った。そして老いたカニがこれを好機に娘に言った。「あぁ、私のかわいこちゃん!お勉強しましょうね。ああいう風に怒りの感情に負けてはダメよ。」「おかあちゃん黙って!」若いカニは少しかみつくように言った。「おかあちゃんにかかったら、牡蠣だって我慢の限界がくるわ!」
「ダイナがここにいればいいのにな。無理なのはわかってはいるんだけどね!」アリスは特別誰かに話す感じでもなく周りに言った。「彼女だったらすぐネズミを取ってくるのに!」
「あえて質問させてもらうけど、ダイナって誰なの?」とヒインコは尋ねた。

• pityピティ(哀れみ、同情、残念なこと、気の毒な事)
• sighサイ(ため息)
• as soon as(~するとすぐに、~するや否や)
• out of sight(見えないところに、法外な、とてつもない)
• temperテンバー(怒りやすいこと、気性、平常心、気分、機嫌)
• Hold your tongue(黙れ)
• Ma(おかあちゃん)
• snappishlyスナッパシー(かみつくように、不機嫌に、ぶっきらぼうに)
• patienceペイシャンス(忍耐、我慢、辛抱強さ、根気)
• I know I do(そうなのはわかってはいるんだけど)
• addressing(~に対してスピーチをする、(人に)話す・話しかける、対処する、対処する、取り組む、取り上げる、(じかに)言う、呼びかける)
• particularパーティキュラー(特別の、特別な、特定の、特有の、独特の、特殊な、一種独特の)
• if I might(もしよかったら)
• venture to(〔危険を冒して〕思い切って[あえて・敢然と]~する、わざわざ~へ行く)

【メモ】
◆ You’re enough to try the patience of an oyster!
(あなたは充分だ、我慢を試すのに、カキの)

Alice replied eagerly, for she was always ready to talk about her pet: “Dinah’s our cat. And she’s such a capital one for catching mice, you ca’n’t think! And oh, I wish you could see her after the birds! Why, she’ll eat a little bird as soon as look at it!”

アリスはダイナについて話す準備はいつでも出来ていたので、ウキウキしながら返事をした。「ダイナは私たち家族の猫で、ネズミを捕るのが上手なのよ。あなたが思うよりすごいわよ!あと、彼女が鳥を追うところをあなたも見ることが出来ればいいのにな!フフ、小鳥を見るとすぐ食べちゃうのよ!」

This speech caused a remarkable sensation among the party. Some of the birds hurried off at once: one old Magpie began wrapping itself up very carefully, remarking “I really must be getting home: the night-air doesn’t suit my throat!” And a Canary called out in a trembling voice, to its children, “Come away, my dears! It’s high time you were all in bed!”
On various pretexts they all moved off, and Alice was soon left alone.

このスピーチは動物たちの間で大変な騒ぎとなった。すぐに何羽かの鳥たちは逃げ出し、1羽の老いたカササギは自身を翼で隠しながら、とても注意深く言った。「私はすぐにでも家に帰らなければ。この夜気は私の喉に合わないものでね!」カナリアは震えた声で子供たちに呼びかけた。「さあみんないらっしゃい!もう寝る時間よ!」
全員が様々な口実をつけて行ってしまった。アリスはすぐに独りぼっちになってしまった。

• sensation(大騒ぎ、大評判、(五感による)感覚、知覚、漠然とした感じ・知覚を引き起こす物、興奮、感動)
• hurried off(急いで立ち去る)
• Magpieマグパイ(カササギ)
• wrapラップ(包む、くるむ、包む、包装する、覆う、巻く、包み込む)
• remarkリマーク(意見を言う、気づく、注目)
• night-air(夜の空気、夜風)
• suitスーツ(スーツ、似合う、好都合である、適する、合う、適合する、かなう)
• throatスロウト(喉、気管、溝をつける、しわがれ声で言う)
• Canaryカナリィ(鳥のカナリア)
• pretextプリーテクスト(言い訳、見せかけ、口実、仮面)

“I wish I hadn’t mentioned Dinah!” she said to herself in a melancholy tone. “Nobody seems to like her, down here, and I’m sure she's the best cat in the world! Oh, my dear Dinah! I wonder if I shall ever see you any more!” And here poor Alice began to cry again, for she felt very lonely and low-spirited. In a little while, however, she again heard a little pattering of footsteps in the distance, and she looked up eagerly, half hoping that the Mouse had changed his mind, and was coming back to finish his story.

「ダイナのこと、話さなければよかったわ!」落ち込んだ声でアリスは言った。「ここでは誰も彼女が好きじゃないみたい。私は世界で一番の猫だって分かってるけどね!あぁ、私の可愛いダイナ!もう二度と会えないのかしら!」アリスは寂しさですっかり意気消沈してしまい、また泣き始めてしまった。しばらくして、どこからかパタパタと足音が聞こえてきたので、はやる思いで見上げてみた。ネズミが心を入れ替えて話を終わらせるために戻ってきたのではないか、と少し期待しながら。

• mentionメンチー(のことを言う、話に出す、言及する、触れる)
• spiritedスピリテッド(元気な、甲斐甲斐しい、ルンルンの)


チャプター3が終わりました。
言葉遊びが面白いけど、どう訳していいか難しくなってきました。
アリス中々いい性格してますね(笑)


頂いたサポートは勉強のための本を買う費用として使わせていただきます。ご支援いただけると大変助かります!