見出し画像

問) 「ロマン」とは一体なにか?

最近「ロマン」という言葉をあまり耳にしなくなりましたが、艶っぽく哀愁漂うこの言葉に興味を抱き、社名に使ってしまうほど、この言葉の可能性に魅了されております。

では「ロマン」とは一体なんなのか?
世の中一般的な解釈と、私なりの解釈について触れたい思います。

俗に言う「ロマン」とは、「感情的、理想的に物事をとらえること。夢や冒険などへの強いあこがれをもつこと。」と記されています。
あわせて「ロマンチスト」という存在もいて、「現実を離れた、甘美な空想などを好む人。夢想家。空想家。」という風に、浮世離れした思想を持つ人を指しています。私の敬愛するジョンレノンも、イマジンにおいて「You may say I'm a dreamer(僕のことを夢想家だと言うかもしれないね)」とロマンチスト的な側面を歌詞に乗せ歌っています。

あらためて問いに戻ってみます。
問)「ロマン」とは一体なにか?
答)想いを馳せること

問)「ロマンチスト」とは一体なにか?
答)想いを馳せる人

なのか?


ここからは、私にとってのロマンの解釈に触れていきたいと思います。

私にとってのロマンとは、「その先の景色を見てみたい」という意欲と行動の更にその先にある「本当の景色」である、と考えています。
では、その「本当の景色」とは、一体なんでしょうか?

私の大好きな、ジョンレノンとオノヨーコのロマンを覗いてみたいと思います。
ジョンとヨーコの見たい景色は「ラブ&ピースな世界」でした。その景色を見るための意欲と行動が「世界平和のために歌い、アートする」こと。しかし、その先の「本当の景色」は、実は彼らにしか見えないのです。
ラブ&ピースなメッセージを乗せた歌や、ベッドインによる非暴力による反戦、人種による偏見や固定観念の風刺(バギズム)など、前衛的なアート活動を繰り返す中で、世界中の人がその勇気と行動を讃え、方や批判批評を受けながらも、自分の信念を貫いて、最終的にはファンの凶弾に倒れるといった結末が待っていました。それを「ロマン」と呼ぶのであれば、他者が勝手に植え付けたロマンであり、それが本当のロマンであるかと言うとそうではなく、「その先の本当の景色」は、まさに彼らにしか見えないのです。

ベッドの上から反戦、平和を訴えた「ベッドイン」のパフォーマンス

ライト兄弟も同様に、ロマンに溢れています。ふたりが見たい景色は「人が空を飛ぶこと」であり、その意欲と行動が「人が乗れる動力飛行機をつくる」ことでした。研究や実験を何度も何度も繰り返し、ついにその成果が実る日が訪れます。人類初となる動力飛行機の有人飛行に成功したのです。その瞬間を目の当たりにした人々は、さぞ歓喜に湧いたことでしょう。しかしその後の飛行機の普及が進む中、いろんな憶測や彼らを否定する研究データが飛び交います。彼らの空を飛びたいという純粋な思い、その勇気と行動を「ロマン」と呼ぶのであれば、ジョンとヨーコと同様に、それは他者が勝手に植え付けたロマンであり、「その先の本当の景色」は、やはり彼らにしか見えないのです。

12馬力のエンジンを乗せた有人動力飛行機 ライトフライヤー号

こういった話が続くと、そもそもロマンは、ジョン&ヨーコやライト兄弟などのようにスケールの大きなものを指すのか?大きな成功が絶対なのか?といった疑問も浮上してきます。
そこで、私の息子の話を紹介したいと思います。

私の息子は中学に入るタイミングでコロナ禍となり、学校行事やイベントや旅行など友達との思い出を自由に作れないまま受験期を迎えました。そんな息子が「友達と無謀な旅をすること」を目的に、その意欲を行動に変えたのが「電車の初乗り150円券でどこまで行けるか」といった中学生なりの挑戦でした。彼らは大回りという方法を使い、鈍行列車に揺られること浜松駅近くまで行って駅構内で写真を撮ったり、思い出の品を買ったりして往復15時間の旅を終えて帰ってきたのですが、時間が許せばきっともっと先まで行っていたであろうと推測されます。その行動に私は息子のロマンを感じましたが、その先の本当の景色はやはり、彼らにしか見えないのです。

ここからの気づきとして、ロマンにとって「スケールの大小」云々でもなく、「成功や失敗」云々でもないということも言えるのではないでしょうか。

この一連の事象から、私は以下のようにロマンを定義づけました。

ロマン = 行動した人だけが辿り着ける景色
その景色は、本人にしか見えない
その景色を見るための行動 =ロマン創造


であると。

「ロマンとは一体何か?」
皆さんはロマンについて、どう思いますか?


「浪漫人を増やし、にぎわいを創出する」
風街浪漫舎
企業や地域の成長戦略を共に描き伴走します。詳しくはホームページよりお問い合わせください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?