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5次方程式になぜ解の公式が存在しないのか?

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家庭教師の竹村と天才小学5年生森田君のやりとりを通して、なぜ5次以上の方程式に解の公式が存在しないのかに迫ります。数式や記号の羅列にならないよう、なるべく日常の言葉で書くことにし…
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記事一覧

5次方程式に解の公式が存在しないことを「可解群」で証明する

(追記)  内容はそのまままで、誤字脱字、文章を修正中です。 (初めに)  まだ修正・推敲…

3次方程式の解の公式の存在を「可解群」で証明する

 前回の本シリーズ (36) で、2次方程式について「(累乗根の添加による)体の拡大」と「(巡…

2次方程式の解の公式の存在を「可解群」で証明する

連立による2次方程式の解の公式の導出 2次方程式 $${ax^2+bx+c=0}$$ の解を $${\alpha, \…

『体(たい)』について

 ここでは、「体」という新しい概念と、本文で何度も述べてきた「累乗根の添加」について解説…

2次対称群で、剰余群が巡回群になることの復習

2次対称群について これまでは、3次方程式を扱うために、3次対称群  $${S_3=\{id, \rho…

『巡回群』について、および剰余群が巡回群になること

巡回群について ここでは、重要な巡回群について解説します。巡回群とは「すべての要素が、…

中学でも分かるガロアの証明⑤正規部分群の縮小について

(復習)左剰余類による類別 前回までは、3次対称群(3つの文字の入れ替えをすべて集めた群)  $${S_3=\{id, \rho_2, \rho_3, \tau_1, \tau_2, \tau_3\}}$$ の正規部分群である、3次交代群($${S_3}$$ の要素のうち遇置換だけを集めた群)  $${N=\{id, \rho_2, \rho_3\}}$$ による左剰余類(および右剰余類)を考え、その剰余類によって $${S_3}$$ を2つのグループ $${

(追記有り)中学でも分かるガロアの証明➃『剰余群』について

 ここでは、剰余類どうしに新たに演算を定義して、その演算に関して剰余類の集合は群(これを…

(追記有り)中学でも分かるガロアの証明➂『剰余類』及び『正規部分群』について

 ここでは剰余類、及び正規部分群について解説をします。この考えは、「5次以上の方程式に解…

中学でも分かるガロアの証明➁『部分群』について

 前回(本シリーズ (28))では『集合』と『群』を説明しました。ここでは『部分集合』と『部…

中学でも分かるガロアの証明①『群』について

 ガロアは『群』という数学的概念を用いて、5次以上の方程式に解の公式が存在しないことを証…

(追記有り)もっと分かりやすく⑩ そもそもなぜ存在しないのかを『巡回置換』から紐…

 そもそもなぜ5次以上の方程式に解の公式が存在しないのかについて、『巡回置換』との関連で…

(追記あり)もっと分かりやすく➈「カルダノの方法」と「対称性の破壊」の関連につい…

 「カルダノの方法」による3次方程式の解の公式の導出方法を、差積とラグランジュ・リゾルベ…

もっと分かりやすく➇「カルダノの方法」による3次方程式の解の公式の導出

 3次方程式 $${ax^3+bx^2+cx+d=0}$$ を考えます。簡単のため、係数 $${a, b, c, d}$$ の範囲を有理数とします。係数の範囲は複素数まで拡張できますが、まずは有理数の範囲で理解できれば、複素数まで拡張することは容易です(注1で数の分類)。また、3次方程式なので当然 $${a\ne 0}$$ です。  なお本記事は、本シリーズ (3) の復習です。さらに詳しく解説しています。  まず、 $${ax^3+bx^2+cx+d=0}$$ の両