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秋が過ぎれば小鳥を庭に(1331字)

いよいよ寒さが身に染みる季節になってきました。ふかふかのお布団から離れられないのが一番の悩みであり、一番の幸せ。そんな季節です。

もうそろそろ、準備を始める時期でもあります。
毎年恒例、バードガーデン。
庭に水場や餌場を置いて、小鳥たちに来てもらいます。そして私がそれを遠巻きに眺めて、にやにやします。ただそれだけの施設を庭に作ります。
まるでビオトープのメダカを観察する森のあの人みたいじゃないか。私も絶賛、じじい化中。ばばあではなく、じじい。

バードガーデンが冬季限定なのは、生態系を壊さないためです。暖かい季節は森に自然の食料が十分実っているので、人工的に餌を用意してしまうとただの餌付けになってしまうのです。そもそも暑すぎて鳥たちも山から降りてきませんし。山から食料が少なくなる冬がチャンスという訳です。

さて、まずはどんな餌を用意するか。
野鳥用の撒き餌ミックスはホームセンターで手軽に買えます。いろんな種や穀物が混ざった餌。鳥によって好みがあるようで、スズメやメジロみたいな小さな鳥はひまわりの種を避けてきれいに食べてたり、シロハラぐらいの大きさだとひまわりの種もきれいに平らげてたり。
器用に食べるもんだなぁと思います。

そしてお次はフルーツ。といっても、あまりいいものばかりは用意できませんが、シワが出てきた路地みかんとかを置くことが多いです。お土地柄です。ヘタを上にして横向きに二等分したら、カラスよけのカバーをつけて置いておきます。
カラスも野鳥でしょ、って思いません?そうなんです、そうなんですけどね、以前それで痛い目あったんですよ。”あの家はいい飯置いてる”って目を付けられたのか、カラスが家の付近に集まるようになっちゃって、夕暮れ時は怖いわ小鳥はめっぽう寄ってこないわで。ごめんけどカラスさんはまた別のところで食料調達をお願いします。
余談ですが、カラスの繁殖期に巣の下を歩いていたら頭を蹴られたことがあります。かなりの恐怖体験でした。マンガみたいに襟咥えられて連れてかれるかと思いました。ごめんよ、あの時のカラスさん。

そして、自分でエサを作ったりもします。バードケーキという小麦粉と油が主体の餌を毎年作ります。ケーキという名ですが、焼く工程はありません。混ぜるだけの簡単レシピ。
小麦粉:砂糖=6:1ぐらいを目安に混ぜ、サラダ油やラードを加えながらいい固さになるまでまとめたら完成。作る人や来てほしい野鳥、気候なんかに合わせてレシピはいろいろアレンジが可能です。たとえば小麦粉だけじゃなくアーモンドプードルやナッツの砕いたものや撒き餌などを混ぜたり、砂糖じゃなく蜂蜜を使ったり、油を無塩バターにしたり牛脂にしたり。無塩バターを食べる野鳥ってのはなかなかリッチな感じがしますね。

このバードケーキが結構食い付きがいいんですよ。スズメもメジロもシジュウカラも、庭に来る大概の野鳥は食べていきます。
まん丸に丸めていた餌がいつの間にかつつかれてトゲトゲになっていたりするのも、なんだか愛おしいです。


越冬は人間も含めみんな大変なものです。
野生動物に至っては、命懸けです。
そんなかけがえのない命の、少しでもオアシスになれたらなと思います。
今年もたくさん来てくれるといいな。

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