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J-POPの英語歌詞・字幕を味わう Part2 SEKAI NO OWARI「Dragon Night」①

本記事の意図

こんにちは、すうじょうです。久しぶりに手の込んだものを書けました。さて、今回は前回約2週間前のYOASOBI「夜に駆ける」の次にSEKAI NO OWARIの「Dragon Night」の英語版の歌詞を味わっていきたいと思います。3回目の説明ですが、このシリーズでは、Youtubeにアップされている日本のアーティストの音楽動画の歌詞の英語字幕や全編英語の歌の歌詞、英語でセルフカバーしたものなどの英語を味わっていきます。それらは、アーティストが公式に訳したものから、Youtube利用者が訳したものまで様々あります。本記事では、アーティストが訳したと思われる英語歌詞を中心に、文法はあまり気にせずにただ日本語をどのように英語へと変えたのかという部分に注目して、その英語歌詞を感覚的に味わって(訳に対する批判はしません)、同時にそこから英語の表現や単語を学んでいこうとするものです。注意点として、基本的に歌詞全体ではなく、一部のみを取り扱います。また、歌詞への感想は私個人の勝手な解釈で、人によって色々違っていいと思います。ちなみに私は英語はそこそこできる程度なので、分からない単語や表現もあります。そのときは、ネットや辞書で調べて補います。

前回のシリーズもぜひ読んでください

さて、これはPart1の続編企画なので、気になった方はPart1の内容についてもぜひ読んでいってください。

今回の楽曲 SEKAI NO OWARI「Dragon Night」の紹介

さて、今回はセカオワの「Dragon Night」ですが、もともとはSEKAI NO OWARIが、2014年にリリースした楽曲です。それを英語でセルフカバーしたものが今回の対象です。Youtubeでの公開は2015/06/16となっており、現在は英語版しか公式でアップロードされていないようです。当時はヒットして、トランシーバーを使ってPVの真似をする人が出ました。もし、聴いたことがない人がいれば素晴らしい曲なのでぜひ聴いてください。

また、セカオワの楽曲はファンタジー感溢れるものから、警鐘を鳴らすようなメッセージ性のある楽曲まで様々あり、素晴らしい楽曲が他にもたくさんあるので、ぜひ聴いてみてください。この「Dragon Night」は歌詞やPVからも推測できますが、第一次世界大戦中にイギリスとドイツの間で起こった、いわゆるクリスマス休戦を基にしてできているそうです。

この動画は、アーティストの公式英語セルフカバーですが、英語字幕も付いているので、歌詞を確認してみたい方は字幕をONにしてご覧ください。では、初めていきたいと思います。

「Dragon Night」英語版を味わう

今宵は百万年に一度太陽が沈んで夜が訪れる日
Today is the day when the sun sets on our home
Finally the night will come out to say hello, oh

太陽が沈むというのをsun setsと言うのは直訳でもそうですが、その後にon our homeが沈むときに太陽の光が家にかかる様子が描写されていていいですね。そして、夜が訪れるという詞的な日本語を、出てきて「やあ」と挨拶すると表現されているのもまた素敵です。

今宵は休戦して祝杯をあげる
But tonight the fight will stop and we’ll celebrate

日本語では平坦に表現されているのに対して、英語は現実性や心情を重視しているので、英語歌詞では助動詞willが入って、休戦することが決まっているあるいは確信しているということが明確に表現されています。

人はそれぞれ「正義」があって 争い合うのは仕方ないのかも知れない
Everybody has their own version of what’s just
Maybe war is something that is natural for us

ここは、意味をとらえるのが少し難しいですが、それぞれの正義というのを各々の「何が正しいか」についての解釈というふうに表現され、かなり意訳的になっています。また、仕方ないをnaturalと表現しているのは、仕方ないを「仕様がない=当然である」と言い換えているのだと思います。ここは、受験でも出てくる可能性があるような気がします。

だけど僕の嫌いな「彼」も彼なりの理由があるとおもうんだ
But even the people that fill me with hate
Have their reasons to live their life that way

僕の嫌いな彼というのは、少し一般化して、憎しみが募るような人と表現されています。そして、彼なりの理由というのはもう少し具体的に、彼らがそのように(おそらく戦のことかなと思います)自分の人生を生きていくための理由と表現されています。これは、公式の訳なので、ここのように英語版から日本語版の歌詞のあいまいな部分を補って理解することができたりするので、これはこのような歌詞を見てみることの意味の一つだと思います。

今宵 僕たちは友達のように歌うだろう
Tonight all of us will sing together like we’re best of friends

サビ部分の歌詞ですが、この歌詞はクリスマス休戦の様子を顕著に表していることが分かります。それ以前とは違って、今宵だけは友のように歌い明かしているのを表現しています。ここは、英語ではなく歌詞そのものの味わいになっていますが、それも一つのやり方なのでよしとしましょう。

今宵 僕たちは 友達のように踊るんだ
Tonight let’s dance, everybody, until the sunrise

ここは、歌の都合上か分かりませんが、文というよりは単語や句をつなげて表現していますね。しかし、それでも「踊ろうよ、みんな、日が昇るまで」と英語が誰かの発言のように聞こえて、歌詞の世界観にマッチしていていいですね。

「Dragon Night」単語を学ぶ

今回の対象範囲内の英語歌詞の中で、取り扱っていない部分も含め個人的に勉強になると思った単語とそれを使った例文を並べています。今回は扱う単語数が少ないです。

wage (戦争など)を維持する、行なう
例:The war that never ends still wages.
       終わることのない戦争はまだ行われている。

starry sky 星空(starry 星の多い、星を散りばめた)
例:We climbed the mountain and looked at the starry sky.
       私たちは、山を登って星空を眺めました。

終わりに

今回は、SEKAI NO OWARIの「Dragon Night」の英語版の一部の歌詞を味わっていきました。最後まで一気に扱うと、長くなって、かつ私の負担が増えるので続きはPart2の②で扱うことにします。

今回の英語歌詞を振り返ってみると、Part1の「夜に駆ける」と異なり、英語カバー用の歌詞なので、歌いやすいように必要に応じて日本語の文を複数の英文に分割して表現されているというのが実感できました。また、「夜に駆ける」同様、詞的で美しい日本語の歌詞を具体的な表現が若干必要な英語で描写をするのかというのが学べました。また、「夜に駆ける」と比べると、英語カバーの特性上、意訳部分が多かったように思えて、味わいがいがありました。次回もどのような表現と出会えるか楽しみです。では。


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