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全射

集合Aから集合Bへの写像fが全射であるとは、Aの元を写像fで写したBの元全体がちょうど集合Bと一致するときにいう。

これは、Bの任意の元は、Aのある元をfで写したものである、と述べても同じである。

よく、Bの元bについてfで落ちてくるということを、「fで元bに写るものAの元全体」という意味で表現することがある。この言い回しを使えば、fが全射であるとは、Bのどんな元もAに少なくとも1つは落ちてくるような写像fである、となる。

イメージがわかりやすいので、誤解の恐れがない文脈にあるなら、言葉で言えるものは言葉で済ませたいのです。

日常の範囲で全射の例を作ってみよう。

今、雨が降って、どの地面も濡れているとしよう。

天から降ってくる雨粒の集合から地面の点の集合への写像fを自然に、雨粒に対してその雨粒が降った地点を対応させよう。これを雨写像とでも呼んでおこう。

どの地面も濡れているということは、この雨写像が全射であることを言っている。

実際どの地点をみても、そこが濡れているということは、そこに雨粒が存在したことになる。(誰かが水を撒いたというような状況は考えないとして。)そしてその雨粒は雨写像fによって写る先は、その地点である。

この例の場合、ちょうど天から地への向きでの写像であるから、そのイメージ通り、どの地点も雨が「落ちて来た」雨写像であるという訳です。



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