子どもを見送るために
ひとり道を歩く
カサカサ、ガサガサと
上着の擦れる音がする。
鳥のさえずりがきこえる
あぁ、あっちの方でも鳴いている。
うっすらとはく息がしろい
朝の寒さが空気をピーンとさせている。
歩きながらふと、
「この空間はわたしである」
と思ってみることにした
そうしたら腹の方からあたたかい何かが
足の先の方まで広がっていくのを感じた。
もう一度、「この空間はわたしである」
と思ってみた
足の先まで広がっていくのと同時に
今度は上の方まで
腕をとおり手の方まで広がってきた。
あたたかい何か。
「個」の境界線をゆるませる何か。
その言葉を心のなかでつぶやいたときだけ
不思議な感覚がやってきた。
そんな今朝のできごと