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ゴールは必要なんだろうか?

ある山に登ったとき、下調べがあまくて目指している山にたどり着くには何度も登って降りてを繰り返さなくてはならなかった。
笹藪ばかりのその山は見通しも悪くひと気も少なかったから、どこからか「ガサガサッ」と音がするたびに息を殺して様子をうかがった。
「今度こそ山頂か?」と期待を膨らませるも、またけもの道のような登山道が続いている。
期待と落胆の繰り返し。
それでも期待することをやめられない。
それが自分でも不思議だなと思う。

山頂にたどり着くと達成感がある。
けれど、山頂というゴールまでの道のりの方がおもしろいと感じる。
楽しいことやつらいことが盛りだくさんで、すんなりいくこともあれば、絶望しすぎて思わず笑ってしまうこともある。

山登りを始めたばかりの頃、山の天気のチェックを怠っていて強風のなか登ったことがある。
子どもたちが(女性の背丈ほどの高さのある)大きな石の標識の上におもしろがって登ったとき、さらに強い風が吹いた。
長男は石にしがみついたが、次男は吹き飛ばされてもう少しで尖った石に頭をぶつけるところだった。とても怖い思いをした。
3分の1ほどしか登っていなかったが、自然の洗礼を受けて「こわかったね!」と言いながら、興奮しながら帰路についた。


目指す山さえ、ゴールさえ決まっていればたどり着けなくてもいいんだと思う。
だって、その道中こそが面白みであり、結果ではなく、その過程こそがメインなのだから。
苦しいだけの登山なんていやだ。
おもしろがって楽しみながら登りたい。
でもしんどくって弱音を吐いたり、時には泣きながら登ってもいい。
それさえも人生の醍醐味だ。
上手くいってばかりではつまらない。
書いていて、なんともわがままな生き物だなと思う 笑

でも、そのときに味わった怖さは忘れずに、形を変えて次に活かしていく。
あの怖さを無駄にしないためにも。
いくら後悔しても巻き戻せないのだから、せめて未来につなげていくようにしたい。
そう思っている。

今日もあなたが心の安らぎと幸福感を感じられますように♪



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