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ケーキの切れない非行少年たち(読書メモ)②
第7章 ではどうすれば?
1日5分で日本を変える
非行少年から学ぶ子どもの教育(p146)より
犯罪を行った少年は通常、少年院に1年間在院します。
入ってきたときの主な態度
•態度が大きい
•妙に馴れ馴れしい
•妙に素直
•非行を他人事のように答える
•少年院送致に不服で被害者に逆ギレしている
そんな中、だいたい入院後8ヶ月頃から変わり始める少年たちがいます。
彼らは「少年鑑別所や少年院に入ったときは、反省しているように見せていたけれど、今は違う。本気で変わるのは今しかないと思った」と述べ、犯罪を行った頃の自分がいかに馬鹿なことを思っていたり、言っていたりしたかを客観的に分析できるようになるのです。
"彼らが変わろうとしたきっかけは何か?"
•家族のありがた味、苦しみを知ったとき
•被害者の視点に立てたとき
•将来の目標が決まったとき
•信用できる人に出会えたとき
•人と話す自信がついたとき
•勉強がわかったとき
•大切な役割を任されたとき
•物事に集中できるようになったとき
•最後まで諦めずにやろうと思ったとき
•集団生活の中で自分の姿に気が付いたとき
"自己への気づきがあること"
そして様々な体験や教育を受ける中で、
"自己評価が向上すること"
それによって「適切な自己評価」と「正しい規範」を持つことができるようになっていった。
少年院では集団生活を強いられます。
教育ではとことん自分に注意が向けられます。
これまで好き勝手に生きてきて、自分を顧みず、何があっても他人のせいにしていた彼らが、自分はこれまでどう生きてきたか、どれだけ皆に迷惑をかけてきたか、支えられてきたかを、振り返らされます。
重要なこと
•学校で先生が子どもに対し"あなたを見ていますよ"といったサインを送ること
•少人数のグループワークをすること
•大人が見本となり、「正しい規範」を子どもたちに見せること
子どもの心の扉
「子どもの心に扉があるとすれば、その取手は内側にしかついていない」
矯正教育に長年携わってきた人のことば
では、どうしらいいのか?
子どもの心を開くには、子ども自身がハッとする気づきの体験が最も大切であり、我々大人の役割は、説教や叱責などによって無理やり扉を開けされることではなく、子ども自身に出来るだけ多くの気づきの場を提供することなのです。
子どもが大人と1対1で向き合って得られる気づきよりも、同級生に言われて得られる気づきの方が大きいこともあり、グループでの様々な活動も欠かせません。
やる気のない非行少年たちが劇的に変わった瞬間
少年たちに"教えるんだ"という視点では駄目なのだ、と。
これまで幾度となく"こんなものも分からないの?"と言われ馬鹿にされてきた少年たちは、自分たちも
"人に教えてみたい"
"人から頼りにされたい"
"人から認められたい"
という気持ちを強く持っていることを知りました。
▪️新しいブレーキをつける方法
▪️感情のペットボトル(コグトレ)
なぜ感情を表現する必要があるのかを体験から学ぶためのもの。
【必要なもの】
•様々な気持ちを貼った500mlのペットボトル
•"怒り"用の2ℓのペットボトル
•水("うれしい"以外のペットボトルに入れる)
•全てのペットボトルが入る大きな袋
※怒りの気持ちが最も厄介でトラブルの原因になるため2ℓに。
※"うれしい"は空のままにする
子どもに担がせ「気持ちを出さずに溜め込むとはこんなにしんどいことだよ」と身体で感じてもらいます。
次に1本ずつペットボトルを出していくことで、"気持ちを出すことで楽になる"を体験して実際に少しずつ身体が楽になっていきます。中でも"怒り"のペットボトルを出すことですごく楽になります。"怒り"を抱え込むのが一番しんどいからです。
"怒り"を出す際にそのペットボトルを相手に投げつけたらどうなるか?
相手が怪我をすると犯罪になります。
だから、"怒り"を表現するとしてもその"出し方も大切"だということも理解してもらいます。
▪️コグトレ棒
新聞で作成し身体面の機能を高めるために使う
▪️綿棒積み
綿棒を使って指先の細かい運動をトレーニングする
朝の会の1日5分でできる
さすがに規定の授業をとめてまではできません。そこで、朝の会や帰りの会の5分を使うのです。
5分あれば「最初とポン」を5題やることが可能です。
週に4回、1年で32週やったとして128回もできます。時間にして640分、約10時間分です。
諦めずによくばらずにただひたすら5分を積み重ねていく。
1回1回は小さな変化でも、例え変化が見られなくても、続けていくことで大きな変化が生まれてくる。
第7章には驚きと発見と感動がつまっていた。
今からでも、いつからでも始められること。
さて、ここから何を始めていこうか。
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