心理的応急処置(サイコロジカル・ファーストエイド:PFA)

 深刻かつ危機的出来事に見舞われた人に対して行う人道的、支持的、かつ実際的な支援をいう.基本的活動原則は「見る」「聴く」「つなぐ」の三つである.心的外傷後ストレス障害などの発症を防ぐ目的で行われる応急処置であること.一般には災害援助の場面などで重視される支援形態であり、安全・安心を確立して外傷後の混乱の終息・安定を目指し、一方で本人の資源を活用し、適切な対処行動をとれるように自己効力感を高めていく.基本ニーズ(食料、水、情報など)を満たすために必要なサービスや社会的支援を得るための手助けをしたり、ニーズや心配事に関する話を聞いて確認し、安心して落ち着ける手助けをしたりする.コミュニティ・アプローチの一つ.個人の心理的側面に対するカウンセリング的対応のみをイメージしているわけではなく、さまざまな社会的支援に関する情報提供や、連携、つなぎなどの業務も行う.
 かつては、心理的デブリーフィングと呼ばれる、外傷体験の系統的な報告とその時の感情体験の表出が有効とされていたが、現在ではその有効性はないことが確かとされている.そのためPFAの介入は、話を聞いたり、手助けはするものの、押し付けたり無理強いしたりしないことが強調される.こどもは自身の経験に関する感情の処理に慣れていないことが多く、危険な桜京に対する自己効力感が成人よりも低いためストレスやトラウマのリスクが高い.サイコロジカル・リカバリースキル(SPR: Skills for Psychological Recovery Field Operations Guide)は、PFAを提供したあとに用いる心理的支援法である.災害後に起こりやすい困難や問題に対処するためのスキルを教えることで、被災者の自己効力感を高め、回復を促進することを目的とする.
Psychological First Aid.


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