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30.「諦め」の見極め(難題との向き合い方 撮影時間と体力管理の話)

人物撮影をしていると、難題にぶつかることが多々ある。

特にコスプレ撮影においては、非現実的な場面を表現・再現するために、スモークや水など、特殊な手法を用いて撮影することも多く、動作を表現するためのポーズも難易度が高くなることが多い。

【ヘッダー写真 モルガン:りあさん】
(F4 1/200s ISO200)
Canon EOS5D MarkⅢ+EF85mmF1.8

被写体さんのリクエストや、自身の撮りたいパターンから、そういった難題にぶつかったとき、どう判断するか。

撮影時間や被写体さんの体力などのリソースをどう管理し、粘るべきか、諦めるべきかの見極めが、撮影全体を「成功」させられるかどうかの鍵を握る。

千子村正:けんさん
水が顔に被った、やり直し

このように、何度もやり直さなければ成功に繋げられない撮影もある。

撮影そのものを「成功」させるためには、「難題を解決できたか」以上に、「どう判断したか」が大切なのだ。

何事にも挑戦するメンタルは大切だが、同時に、撮影を任されたカメラマンには、「撮影を成功させる」義務がある。

そこで今回は、難題に直面したときの考え方について記していく。


1.時間をかければ「できる」のか、本当に「できない」のかを素早く判断する

ジャンヌ・ダルク:ゆよりさん
おてあげするぼく

まず第一に、今の自分の機材・技術でその難題を解決できるかを素早く考える必要がある。

そのとき、その場で、そもそも「できない」のであれば、「できない」を言い切る必要がある。

ただ、この場合、「できない」で終わるのではなく、素早く代替案を出す必要がある。

また、技術的に「できる」場合でも、どのぐらいの時間をかけられるかを計算する必要がある。

どんな撮影にも、時間の制約がある。

特に、夕陽や雨、雪など、わずかなタイミングを逃したら終わってしまう撮影もあるので、「どうすれば限られた時間の中で最善の作品に繋げられるか」を素早く判断しなければならないのだ。

Model:ゆよりさん
雨はいつ止むか、弱くなるか読めないので
のんびり考える時間はない

2.「挑戦」の判断をするなら、どんな形でも必ず成果には繋げる

織田信長:袴さん
着替えの間にテグスで火縄銃8丁を浮かせ
セッティングしておいた

撮影の内容によっては、1パターンの準備に30分〜1時間、それ以上かかるケースもある。

やるからにはベストを残さなければならないので、自身で成功のビジョンが見えていなければ「諦める」判断も視野に入れる必要がある。

撮影は一件一件が「練習」ではなく、「本番」だからだ。

また、ポーズなども過酷なものは特に、何度もチャレンジはできない。
被写体さんが体力を奪われるほど、表情をキープできなくなるので、素早く判断して撮影を進める必要がある。


立ちポーズ、座りポーズ、アクションポーズなど
何気ないポーズに見えても、
被写体は全身のいろいろな部分に力を入れている。
「楽なポーズはない」と思おう。

自身のベストを尽くせるように、自分の能力を正しく把握し、また、知識を身につけておくことで、自分の能力の応用で「成果を出せるかどうか」が判断できるようになる。

自分の技術、機材の扱い方を磨くとともに、常に知識を集めて、どう応用できるかを考えよう。

3.「諦め」てでも撮影そのものを成功させる

先ほども記したとおり、「できない」と判断するなら、代案を出す必要がある。

困難に直面したとき
最後の最後に立ち上がれるかが大切
だから「七転び八起き」。

せっかく「諦める」判断を素早くできても、代案を出すのに時間をかけてしまっては意味がない。

ここでも、自身の能力を正しく把握し、また、知識を元に、自身の能力からどう応用できるかを素早く判断して結びつける必要がある。

「できない」と諦めるのは、失敗をしないためではなく、他の方法を用いて撮影そのものを成功させるためにほかならない。

技術だけではなく、諦める理由を伝えるコミュニケーションも大切になるので、そちらも重視しよう。

 💥<パァン
🖐👺<判断が遅い

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