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くぎづけ、 かつ リピート!『びじゅチューン!』
今回はNHK Eテレで放送されている『びじゅチューン!』について書きます。その素晴らしさについては言わずもがなですし、ましてや音楽やアニメについて無知な私が書いて良いのか迷うのですが、今の私にとって超素敵事項なのでその魅力について個人的な感想を書きたいと思います。
『びじゅチューン』とは何か?
びじゅチューンについて、AmazonのCDの商品紹介では以下のように説明されています。
◆「びじゅチューン! 」とは?
NHK Eテレにて放送中の、世界の有名な美術作品をモチーフにしたユニークなうた&アニメーションと解説で構成されている人気番組。
アーティストの井上涼が「びじゅつへのユニークな目のつけどころ」を発揮、ポップなアニメーション・奇想天外な歌詞・忘れられないメロディーをすべて担当している。いちど聴いたら、ココロをわしづかみ。きっとあなたも「びじゅつ」のとりこに。
なぜ何回も聴いてしまうのか?
確かにとりこになっている私ですが、その理由について考えたところ、主に5点思いつきました。ちなみに例として以下の3曲を挙げていますが、万一見ていない方がいればネタバレになってしまうかもしれないので、先に視聴出来るよう念のためリンクを張っておきます。
理由①:設定の妙
まずはタイトルからして何かある感じがしていつも楽しみなのですが、その絶妙な設定は歌詞の最初からぶち込まれることも多い気がしています。
例えば『見返りすぎてほぼドリル』は以下から始まります。
チラ チラ チラ チラチラ! ぐるぐるぐる
見返りすぎて ほぼドリル
街中が知っている 立美人
発想の源になった作品は、菱川師宣さんの「見返り美人図」です。その美人が見返り過ぎてほぼドリルって。。と思いつつ、ぐんぐんとそのびじゅチューンワールドに引き込まれていきます。
ではその設定は無茶なのかというとそうではなくて、アニメを見終わった後に確かに!と思うのです。「見返り美人図」は前から知っていましたが、「キレイな絵だけど・・うーん・・」と何か腑に落ちないものを感じていました。見返り方が不自然というか、目線が後ろではなくどこを見てるのかが分からないというか。
そこでアニメを見て、「なるほどー!確かに片思いの人をチラッと見るとこんな感じかも!」とものすごく納得したのでした。原画のたおやかな美人の控えめそうな性格も垣間見えたりして。
その後の、見返り美人が見返り過ぎてほぼドリルになって何かとお役に立つ展開にはもう脱帽で、最初見たときはと笑いっぱなしでした。そして何回も見ているのに、今でも見返す度にニヤニヤしてしまいます。
理由②作品とのリンク
発想の基になる作品の特徴をつかんだ上で、親しみやすい絵とその作品に合った動きのアニメが組み合わされているのが超絶すごいと思います。そして的確に捉えられたその特徴が①の設定とリンクして、更に世界観が豊かになっていると感じています。
その意味でとても好きなのは、『火消しが来りて笛を吹く』です。発想の源になった作品はエドゥアール・マネさんの「笛を吹く少年」なのですが、その原画から感じる少年の純粋さと、アニメの火消し少年の表情や行動がリンクして、「火に過剰反応、してそう!」とか「でも『街を守りたい!』って心から思ってるんだよね。ううう、可愛い・・・」とか思ってぐっとくるのでした。
理由③一度聴いたら忘れられない歌詞とメロディー
これについては、その素晴らしさと堪能するのみです。そして井上涼さんはすごいなあとしみじみ思います。
理由④沁みる優しさ
びじゅチューンの曲には随所に優しさがちりばめられている気がして、救われる時があります。もちろんEテレという子どもを対象にしている番組である分、乱暴な言葉を使わないなど配慮されているのかなとも思うのですが、その優しがとても身に沁みるのです・・・。
例として『人を真似る瓶』を挙げます。この源となった作品はエドゥアール・マネさん「フォリー・ベルジェールのバー」ということですが、『人を真似る瓶』では人手不足でピンチに陥ったバーを救うべく、そのお店の瓶が何と人に変身して働くのでした。そこで私がぐっと来た2番目のサビの歌詞が以下です。
フォリー・ベルジェールの夜は私が守る
他の瓶たちも手伝ってくれる(もちろん)
この「もちろん」という合いの手(?)は、人に変身した瓶が落としたお皿を他の瓶たちが落ちないように支えてくれる時に言います。私がその場面に感動するのは、他の瓶達が「お前だけ人になりやがって!」とか「何やってんの!私ならもっと上手に出来るわよ!」とか言わず「もちろん」って助けてくれるんだ・・・とその温かさにじんとするからです。
こんなこと考えるなんて私人間不信なのかな、と多少心配になったりもするのですが、びじゅチューンの曲では自分と違う人やものも排除しない空気がある気がしてとてもホッとするのした。
理由⑤栄養ドリンク的な効果
そんなこんなで、少し寂しい時や落ち込んでいるときにお気に入りの曲を聴いたり踊ったりするとすごく元気になります。その姿たるや、『鮭ミラーボール』で言われるところの「家で踊ってる ヘンなダンス」そのものなのですが、超楽しいです。
踊る時のお気に入りは、上記『人を真似る瓶』に加え、
などなどです。踊っているうちにテンション爆上がりで、何について悩んでいたか忘れます。
まだまだ好きな曲はたくさんありまして、生活の場面ごとに
・「仕事でミスしちゃった・・あああ、落ち込みから浮上出来ない・・・」
→「ううん、オフィーリアもまだまだって言ってるし、私もまだまだ頑張んないと!背泳ぎは出来ないけど!」
→『オフィーリア、まだまだ』を景気づけに聴く
とか
・「外出しなきゃだけど、だるいし気が乗らない・・・」
→「いやいや、Walkingニケも歩いてるんだし、私も歩くわ!」
→『Walking!ニケ』を聴きながら出かける準備をする
とかいう感じで日々励ましを得ています。
2013年に放送を開始してから2021年1月末の放送で100曲目になったそうで、このクオリティのアニメをコンスタントに作り続けるのは大変だと思うので頭が下がります。
そして今年3月に新たなCDが2枚出て、しかもストリーミングでも聴けるようになったので、ますますびじゅチューン・ライフが充実して嬉しい限りです。私に出来ることはCDを買ったりすることかなと思うのですが、これからもその恩恵に感謝しつつ、踊ったり歌ったり楽しんでいきたいと思います。
ご参考までにSpotifyのリンクは以下です。