Resident Presidentの本気 (BBC アフリカの暴れん坊)

毎週密かに楽しみにしているポッドキャストがあります。
BBCのアフリカに特化したニュース”Africa Today”、その金曜配信版のコーナー”Resident President”。(訳すと『現職大統領』?かな?)
このコーナーでは毎回Olushambles (オールシャンブル?どこかの国の大統領らしいです)とKibarkingmad’s(キバキマ?友人か側近と思われます) の二人がニュースについて話すのですが、内容がいつも・・ぶっとんでいるのです。
きっかけは2014年の以下の回でした。。(その時のテーマは誰かがつけた“No more bad news, please”が最適かと。)“Africa Today”ではアフリカ諸国関連のニュースが流れるのですが、その時の内容は内戦、誘拐、汚職・・・。段々と聞くのが辛くなってきた、そんな時。聞こえてきたお気楽な音楽と笑い声。
以下ご紹介したいと思います。
音源(独特のシュールさ。。是非一度聞いてみてくださいー)
https://audioboom.com/boos/1957172-resident-presidents-no-more-bad-news-please:title

内容(ざっくり、と言いつつ長いです)
次々に入ってくるBBCの悲惨なニュース速報に打ちのめされるOlushambles。(自爆テロ発生、難民の増加、大量虐殺により数百の死者・・・など告げられる各ニュースの合間に「もうたくさんだ」「だまれ」「ほっといてくれよ」と奇声をあげる。)
Kibarkingmad’s(K):「どうしたんだ?」
Olushambles(O):「悲しい話ばかりで泣きそうだ!もうニュースなんて聞かない!」(ラジオのスイッチを切る。・・・窓から外を見て)「飛んでいる鳥、咲き誇る花々、笑顔で学校に向かう子どもたち・・・世界は平和そのものに見える・・・」
K:「ホントはそうじゃないけどな。」
O:「!!でも知らなくていい!俺は世界の現状なんて知らなくていいんだ!」
K:「だけど俺たちは同じ地球に住んでるんだぜ、世界の何処かで起こったことは全部影響してくる。」
O:「昔は遠くで何が起きてるかなんて分からなかったじゃないか。今や速報に次ぐ速報。俺たちにどう役立つっていうんだよ。」
K:「・・・報道関係者が生活出来るし、テレビ作ってる会社の利益が増える。それに他の国の文化や問題を知れるじゃないか。」
O:「他の奴の問題なんて聞きたくない、俺は自分の問題で手一杯だ。最新ニュースでコンゴで内戦が起きたことを知って、何が出来る?俺に止められるか?止めらない!和平交渉が出来るか?出来ない!だからニュースなんて聞くのを止めて、平和な外の様子に目を向けようじゃないか。。。」
K:「まあ、試してみようか。。」
(静寂が訪れ、風が爽やかに通る音が微かに聞こえる。。)
K:「・・・なあ、もしアンタの国が侵略されようとしてたら・・・どうする?」
O:「ええっ、俺の国が侵略されるのか?」
K:「いや、もしもの話だよ。それに、もしかしたらアメリカがドローンでアンタを暗殺しようとしてるかもしれないしさ。」
O:「何!?暗殺しようとしてるだって!?大変だ!万一の場合もあるしな、ニュースを確認しないと!」
(ラジオのスイッチをひねると「新たな自爆テロが起こり更に12人死亡が確認され・・」と流れてくる)
O:うわあああーーーもうたくさんだ!やめてくれーーーーーー!
(絶叫するOlushambles、エンディング曲・・で終了。)

意図
このコーナーでは話題になっている事柄を取りあげて、二人が好き勝手に話しています。人によっては「不謹慎」と思うかもしれません。毎回毎回、彼らは矛盾点に突っ込み、茶化し、訳が分からない理屈を述べてわめき(苦笑)・・
でも何故かその、一見チャラい言葉や言い方の奥に、彼らの真面目さ、冷静さ、「俺らは世界で起こっている事を無視しない!」という覚悟を感じるのです。そして時に憤りも。
悲しいニュースがあった時も、「“Resident President”では、どう話すんだろう」と思うと違う視点で考えられます。「このシナリオ、絶妙!」と唸る回もあれば、「オチがなさすぎるやろ」という回もあり、味があります。
このコーナーの意図は、難しい・悲しいニュースを無視させず、視聴者に考えるきっかけを与えることだと感じます。だからワザと極論を取り上げるのかなと。

情報に打ちのめされるな。見極めて、自分で考えて、行動せよ。
そんなメッセージを貰える気がする私はもう、彼らに騙されているのかも(笑)
そう思いつつも次の配信を心待ちにするのでした。

2018年追記:
ポッドキャストでしか聞けなかったのですが、BBCのページでも過去の話を聞ける様になりました!BBC News AfricaのFacebookページでシェアされると、大抵コメント欄がすごいことになっています(笑)
https://www.bbc.co.uk/programmes/p03v0nft