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一体化

私は京都市北区に住むアラサー女
生まれた時からここに住んでいる

私はずっとここにいるんだけど、いつも背景と一体化してしまったような
皆には見えていないかの様な、そんな気分にさせられる瞬間がある

それは私が皆に
「私の事を知って欲しい」
「私の事をわかって欲しい」

そんな気持ちを元々持ち合わせているからそう感じるだけなのかもしれない

どんなに背景と一体化したように感じても
どんなに私の存在がうすく感じても
私は確かにここにいるし、背景と一体化しようとしたとしても、残念ながらしっかり存在している

どんなに私が周りから見えていないように感じたとしても

心配しなくてもいい

実は誰でもない、私自身が私を背景と一体化させていただけなのだ


「薄焼先生、おはようございます!」

「おはよう、あら、素敵な靴やね~。今日もお仕事?行ってらっしゃい。」

ほらね、毎朝こうして私のファッションチェックを欠かさずしてくれる占い師のおばちゃんがいたりして

私は確かにここに存在してるらしい


かわるがわる展3 短編集
2020.06.15【一体化】より

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