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編集部ピックアップ紹介② 長い長いアヴァンのあとで

こんにちは! ステキ編集部カワカミです。
ピックアップ紹介ふたつ目は、はるこさんの「長い長いアヴァンのあとで」を紹介します。

エッセイ作家の母、そしてその子どもたちが直面する切なくも温かく、愛おしい変化を描く作品です。

作品紹介


作家とその家族に訪れた、愛しい愛しい変化の日々。

コミックエッセイ作家・あいだようこ(相田洋子)のもとに、作品のドラマ化のしらせが舞い込んできた。長男、長女、次女の三人の子育てと、朗らかで楽しい家庭の様子を描いた作品は、もう何年も続いていて、癒されると人気になっていた。
だが、作品の中の子どもたちがゆっくりとしか成長しないのに対し、現実の子どもたちは年月を重ねて大きくなり、洋子の前に違和感として立ちはだかっていた。高校生の長女・桃果はあからさまに洋子の作品に嫌悪感を示す。それをきっかけに、洋子は作品を書くことができなくなってしまう。
大学生の長男・朔、反抗期真っ盛りの長女・桃果、末っ子の由依。それぞれ違う個性の3人と、洋子に「ドラマ化」がもたらした変化とは――?
(作品紹介文より引用)


見どころ① 創作上の家族と現実の家族の対比という独特な切り口


 洋子が描くのは自分の家族をモデルにした、3人の息子、娘たちの子育てを描くコミックエッセイ。しかしいくらモデルがあっても、「この物語はフィクションです」とお決まりの言葉が必ず付くように、現実の家族とは違うものになる。読者に愛される創作上の家族と実際にいる家族のギャップは、洋子だけでなく、家族にも影響を与えています。
 ホームドラマ風の作品の中で、家族の変化、成長を描く作品はたくさんありますが、こうした切り口で描くものは新鮮で、興味をそそられました。


見どころ② 洋子、朔、桃果、由依の視点で描かれる葛藤と挑戦


 漫画の中では可愛く、天使のような子どもに囲まれて幸せな家庭の母でいるのに、そのキャラクターたちとはまるで正反対の今の家庭に悩み、スランプになる洋子。作中と同じ小さい頃の自分たちの姿ばかりを見ている洋子に苛立ち、洋子の漫画を嫌い、反抗する桃果。次第に「どう行動すると母が漫画に描いてくれるか」を逆に計算して自分を演じるようになった由依。そしてそんな彼女たちの緩衝材となりながら生きてきた結果、就活を前にしても平凡に生きること以外の夢を持てない朔。

 この4人が、漫画のドラマ化をきっかけに、物語のキャラクターたちと今の自分たちとのギャップに向き合っていきます。
 それぞれの目線から描かれる等身大な物語はきっと共感でき、そして好きになるはずです。

 (ちなみに私は由依ちゃんが好きです。こうすれば褒められるはず、みたいに打算的思考をするの、自分も末っ子だったのでよく分かるんだよなぁ・・・)


作品URL


https://sutekibungei.com/novels/fb3b7f4c-2865-4211-b3cd-a8d4a56268ab

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