編集部ピックアップ⑤ 陽だまりとハンバーグ
こんにちは! ステキ編集部カワカミです!
お待たせしました、少し間が空いてしまいましたが、ピックアップ紹介していきます!
ピックアップ・ブンゲイの作品、5つめはうめこぶさんの「陽だまりとハンバーグ」をご紹介!
奇妙な約束で食卓を囲む男女の、時に甘く、時にしょっぱい物語です。
作品紹介
──今日の晩ご飯は何だろう?
都会のおんぼろアパートで一人暮らしをする、生活力皆無の18歳・絵里子。そんな彼女には、ある“約束”があった。
それは、お隣の203号室に住む料理上手な青年・恭介と、「毎日一緒に晩ご飯を食べる」という不思議な約束。
恋人でも、友人でも、知り合いですらもない、赤の他人同士の二人。「食べる」事で徐々に互いの心の距離が近付く中、絵里子は少しずつ彼に心惹かれていく。
しかし、惹かれ合う彼らの内側には、互いに言えない大きな傷跡が残っていて──。
二人が「約束」を交わした本当の理由とは?
そして、彼らが胸の内に抱えている癒えない心の「空白」とは?
これは、からっぽだった二人が、それぞれの空白を満たすまでの物語。
──“食べる”。ただ、それだけ。
ただそれだけの事を繰り返す、『世界でいちばん優しい約束』を交わした二人の、半年間の物語。
(作品紹介文より引用)
見どころ① 飯テロ注意!? 食欲をそそるご飯の描写
とても軟らかく半熟で、黄色に綺麗に焼けたと読者にイメージさせるに十分過ぎるくらいに描かれるオムライス。これが最初から登場します。そして毎回このテイストで料理が来ます。
夕ご飯を2人で食べる、という約束のもと、隣人の恭介がつくる料理は匂いから形、柔らかさ、そして味までしっかりと表現されています。
これには絵里子だけでなく、読むあなたにも刺さるでしょう。いや何たる飯テロかっ!!
見どころ② ご飯で繋がる2人が抱えるもの
恭介の部屋だけでなく、お花見やお祭りと、様々な場所で広げられる晩ごはん。一見温かな、甘い物語ですが、2人が抱える影が、物語にスパイスをかけてきます。
“6ヶ月、毎日晩ご飯を一緒に食べる。”ふたりの間に結ばれたこの約束がないと、まるで食べていると言えない食スタイルの絵里子は、スマホも電源を落として見ない、という何か影がありそうな様子。そして恭介もお互いに詮索はしない、という制約もあるのに、それ以上に絵里子に踏み入らない。
良い雰囲気で卓を囲む2人の間に垣間見えるそれぞれの傷が、またこの物語の続きをめくる手を止めさせません。
2人の晩ごはんライフに、一体どんな結末が待っているのでしょうか・・・
是非、見届けてください。
作品URL
https://sutekibungei.com/novels/70165ec3-40e0-464a-b1a1-21c5588154ff
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?