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編集部ピックアップ『全自動世界の実現に向けて』


 ステキ編集部の高橋です。

 そのうち、一週間に一つ更新となる予定のこのピックアップ感想記事ですが、今回は二作品同時更新です。
 よしあきさんの『全自動世界の実現に向けて』を取り上げます!


作品紹介

「便利な世の中」が今よりも進んだ世界、そこは「ユートピア」に近づいた世界でしょうか?
 もしかすると、「ディストピア」だったりしないでしょうか? 「便利な世の中」で何が起こるのか、ご覧いただければ幸いです。
(作品紹介文より引用)


これが未来の世界なのか!?

 自動運転技術は当たり前、その行き先すら自動で考えてくれる車がある世界のお話。

 休日午後に夫婦で乗り込めば最寄のショッピングモールに向かい、バットを持った子供が乗り込めばいつものグラウンドに行き、ネズミのカチューシャを付ければ千葉に遠征してくれるようになった。

 と本文にあるのですが、「ちょっと大げさな未来だな」と私も思いました。けど、読み進めていくとそうでもないことに気がつくはず。
 この未来、あり得る!!

 趣味、嗜好、行動、予定、何もかもがAIに理解されているとしたら、おすすめが当たり前のようにドンピシャになるのもうなずける。そんな未来なのです。

 けれど面白いのがここから! 全自動タクシーが流行り、それを使った婚活が流行り(なぜ!?) 保険の営業成績すら車の思うまま(なぜ!?) 仕事終わりの一杯すら車の言うことを聞くようになってしまう人々(なぜ!?) その全てが読んでいると納得してしまうのです。 つっこみたいのに、つっこめない! 何度でも言おう。読んでいると納得してしまうのです!!

この世界の行く末

 こうなっていくと、ところてん式におかしなところが出てくる。いや、矛盾はないのだけど不満はある的な方向に世界中の人々が、ズレてくる。
 つまりは、その完璧なシステムを享受していれば良かったのに・・・・・・。ということ。いや、それもおかしい。それでは人は機械と一緒では? いやいやでも人間、愚かなり・・・・・・。いやいやいや、感情論は大事なり。

 と、かなり真剣に考えてしまう行く末が描かれていく。少なくとも僕は大いに考えました。考えた結果、今の世の中もあながちこの世界と違っていないのでは? と感じ、怖くなりました!!!

 軽いタッチで紡がれているので、万人にお勧めです。 未来に思いをはせて!

作品URL
https://sutekibungei.com/novels/13b13949-28d0-4979-aa0e-2ee035894500



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