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夢で逢いましょう

死んだ母が来たと父が言う。夢かと聞くと、そうだと言う。夢枕に立ったのか。夢に母が出てくることはある。夢の中でも生きてるときと変わらない。記憶の産物だから。別に美化もされない。良好な関係と言う訳でもない。父はどうだったんだろう。問うても満足な答えはないのだけれど。

人は環境で変わる。父を見ていて本当にそう感じる。施設にいた時は不満と不安がいっぱい。人と触れ合う機会が少なかったから。入院して優しい看護師に囲まれて何くれとなく世話してもらったら、びっくりするほど感謝の言葉が溢れ出てくる。退院して老人ホームに移ったら、泣き言だらけ。病院よりは構ってもらえない。良かれと思ったんだが。

ふと自分を振り返る。自分も環境が変われば、変わるんだろうか。十年一日、同じようなことを繰り返してきて、ちっとも変わらない自分。「はたらくすすむ」というマンガを読む。環境が変わって、人が変わっていく話。ありそうでなさそうな話。

変わらないねっていうのは、褒め言葉でもあるんだけどね。

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