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# 39 悩める人間

昔は、虚栄心が職業選択の主なる動機だったと言われている。
現在は職業選択に多様性があるし、階級意識が少なくなった。とはいえ、その選択に虚栄心が関わる確率は高い。
民間で親会社と下請けでは上下はある。行政ではそれが顕著で、ヒエラルキーを形成している。
だから、上の立場に立ちたいと言うのは自然だ。これが虚栄心と連結、結びつくのも宜なるかなだ。
これって、何も人間だけではない。猿のマウンティングも似たり寄ったりではないだろうか。

そもそも、虚栄心とは、高等動物にある自分のことを実際以上によく、強く見せたがる本能であり、その背後には様々な心理が隠れている。

ここで、すでに話題にした想像力と同レベルと考え、理性的な思考を妨げない程度に上手に付き合っていけば良いという事なのだろうか?
私は想像力に比べると質的に低レベルにこれは位置していると考える。言い換えると、知性的な行動を担う比較的新しい脳の表層ではなくて、本能に関与する古い深層に位置すると思うのだ。だからこそ強く虚栄心に取り憑かれた魂は身動きが取れないし、解放が難しい。
一方で、虚栄心を悪と考え、子供の頃から厳しく教育したあるキリスト教団においては、皆、無気力な大人になってしまったそうだ。

人間である限り、動物の部分があるのであり、虚栄心は動物的であり、皆が多かれ少なかれ持っているのだと認めなくてはならない。
それが災いになっているのなら、それを自覚することが最も重要であろう。

私が、地べた目線で物事をみると繰り返し述べて来た。
これは私が、上から目線の、厄介な、心を疲れさせる虚栄心から少しでも解放される御呪いでもある。

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