#243:お弁当ブルース
中学生男子は食欲旺盛だが食に興味はない。
新しい学年のクラス替えとか、50m走のタイムは気になるようだが、食事の内容には関心が薄い。
少なくともうちの息子はそうだ。
歴史は繰り返す?
ただ息子だけが飛び抜けて、食事への関心が低いという訳ではない。
その昔、自分が中学生の時、彼と同じように食事にはあまり興味がなかったようだ。その証拠に、当時の食事の記憶はあまり思い出せない。
中学卒業してから10数年経って妻と結婚した後、母と妻と3人の会話で「中学はお弁当だった?」との妻の問いかけに「うーん、覚えてない」と答えた私を見て、母は心底呆れた顔になった。
3年間、毎朝起きて持たせた弁当のことを我が馬鹿息子は全く覚えてない…。それはまあ呆れる。
その当の本人である私は、自分の息子の食への関心の欠如を嘆く資格はない。
ただ歴史が繰り返されているだけである。
弁当作り
食事へ関心は薄いとはいえ、お腹は減る。
何の因果か分からないが、息子の中学も弁当を持たせる形式であり、親は日々弁当作りに勤しむ。
加えて、我が息子は食べ物の好き嫌いが激しい。こちらは妻からの遺伝である。妻は幼い頃は全く野菜も生魚も食べない子供だったとのことだが(今ではどちらもしっかりと食べる)、息子も野菜はほぼ食べない。
そして、目新しい食べ物には全く箸をつけない。食べ慣れたものだけを食べてそれが毎日続いても気にならないタイプ。
それもあって、中学1年生の全期間を通して、毎日ほぼ以下のような同じ献立の弁当となった。
☑️玉子焼き2切れ
☑️タコさんウインナー4つ(2本分)
☑️お肉(豚の生姜焼きor鶏肉の塩だれ)
☑️ちくわの磯部揚げ(冷凍食品)
☑️ご飯
唯一、肉の種類が豚と鶏で交互に変わるのみ。後はご飯にかけるふりかけの味が日々少し変わるがそれも3種類の味しか食べない。
この献立に行きつくまで妻の試行錯誤はあったが一度これを確立した後は、このメニューを如何に楽に素早く作れるかを追求した。
その結果、朝の5時40分にご飯が炊けた後、6時頃に作り始めても6時15分くらいまでにはお弁当と息子の朝ご飯が出来上がる、というスピード感にまでなっていた。
引き継ぎ
中学1年生の1年間は妻が6時に起きて、お弁当と朝ご飯を用意して息子を中学に送り出していた。
4月になり今週から中学2年生のお弁当が開始したので、今年は私が担当することにした。これまで朝は寝たまま、息子を送り出す機会は少なくて、時々そのことは妻からチクリと言われていた。
その後ろめたさもあり、また最近なぜか料理熱が上がっていて台所に立つ機会も多かったので、その成り行きでお弁当担当をやることにした。
妻から玉子焼き(砂糖多めで甘めの味付け)、お肉の焼き方(タレの使い分け)、ご飯をよく冷まして詰めること(食中毒対策)など、ひと通りの引き継ぎを受けた。
まだ最初の5日間を終えたばかりだが、これなら私でも充分簡単にスピーディーに作れると感じてほっとしている。作り方を究極に簡素化、効率化している妻の努力の賜物である。
そのような感じのコメントで褒めると妻はひと言「朝は眠いからね」と。
まあ脳が多少寝ててもサッと作れるというのが、この弁当作りのコンセプトのようだ。
…
こうして、無事に弁当作りを引き継いで、これから1年間(もしかしたらそのまま2年間)弁当を毎日作り続けるだろう。
まあそれでも我が息子も中学時代、弁当を食べて過ごしたことはあっさりと忘れるのかと思うと、少し複雑な気分になる。
ただ帰ってきて、空っぽになった弁当箱を見ると今日も元気にご飯食べて学校生活を過ごして来たのだと思えば、それでも良いかとも感じる。
願わくば、もう少し早く弁当箱を出してくれれば嬉しいのだが…。
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