ひとりごと
もう多分ここには戻ってこないのだろうとぼんやり思っていたのに、ひとりごとを言える場所をわたしはここ以外には持っていない事に気付いてしまった。
母の検査の結果が思わしくない。不安で怖くて堪らなくても、泣きつく姉も、相談する友人も居ないのだ。
最近突如わたしの人生に復帰した、これまで長年音信不通だった姪っ子にすら、連絡出来ずにいる。彼女は年齢的にももう立派な社会人で、「何かあったらいつでも相談に乗るよ」と言ってくれたのに。お婆ちゃんが大好きな彼女を、不安にさせる訳にはいかない。
数年前に仕事を辞めてから社会復帰する勇気が出ず、くだらない毎日を送っていたせいできっとバチが当たったのだ。年老いた母に優しくする事も出来ず、恨み言ばかり言っていたわたしに、涙を流す権利なんてない。
泣いても仕方ない事は分かっているけど、絶え間なく流れてくるこの涙を、どうやって止めたらいいっていうんだ。
ああ、まだお別れの準備なんて全然出来ていないのに。
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