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こういうインプット・アウトプットでOK!?

Sustainable Innovation Lab.(SIL)はそれぞれの立場から持続可能な価値を創造し、それを社会に実装し、変革へとつなげていくための学びと共創のプラットフォーム(場)です。 この場には、様々な課題、思いを抱く人たちが集い、プロジェクトを組成し、お互いを観察しつつ、学び合い、前進しています。こちらの記事では、SILに関わりプロジェクトを回している具体的な人たちをご紹介します。

SILのメッセージ

今回、ご登場いただくのは、前田陽太さんです。彼はSINRAのマーケターとして活動し、マクロとミクロという単純な階層構造ではなく、すべてが網の目のようにネットワークとして接続する世界観でものごとを考える人です。

当然ながら、SINRAも同様の考え方のもとに事業を営んでいます。たとえば、自然が持つ多元的な存在(水,植物,動物,虫,空気,人など)に目を向け、その価値を身近に触れて、共有することを大切にしています。それが世界をつなげ、動かしていく原動力であり、私たち人間が自然の一部であることを確認できる、としています。

SINRAのマーケターとして活動し、SILでも活躍する前田陽太さん

それでは、前田さんは、どのようなことに関心を持ち、SINRAのマーケターとして活躍しつつ、SILとも連携しているのでしょうか?その時に大切になるのが、「関係性の網の目を想像する」という考え方、そして表題にもある「こういうインプット・アウトプットでOK」です。

まずは「関係性の網の目を想像する」について。たとえば、「地球温暖化」というとき、「とにかく温室効果ガスを減らす!」という直線的で単純な方法を考えがちです。この考え方では、温室効果ガスを吸収する植物を増やせ、さらにカーボンクレジット(温暖化ガスの排出削減効果を取引できる形にしたもの)を活用しろ、という発想になりがちです。

しかし、前田さんはそういう考え方をしません。そして、SINRAに集まる仲間も、直接的な考え方をしません。たとえば、植物はそれ単体で生きているのではなく、水の流れ、空気、虫たちの動きと連動しています。こうした網の目のような関係性をまるごと視野に入れることで、新しく生まれる価値があるはず。前田さんたちは、そう考えます。だから、SILに集う人たちと連携し、取り組む領域は違っても、どこか重なる領域を見出して価値の共創が進んでいます。

SINRAのメンバーたち

しかし、そう思っていても、生まれた価値が広がらなければ、持続可能な価値や社会につながりません。そこで、前田さんたちは、法人と個人の間で応援の連鎖を生み出すことで、そこに関わる人を増やしています。その結果、環境再生に必要な資金も集まっていき、100年後も地球と生きられる価値が生まれてきます。

たとえば前田さんたちは、通常だと「法人」しか扱えないカーボンクレジットという「温室効果ガスを取引する権利」を、私たちのような個人でも扱えるようにしています。具体的には、蝶のNFTにカーボンクレジットの保有権を付与します。さらにNFTを買った個人は、その権利を法人に販売できるようにもしています。こうすることで個人は手元にお金を残せますし、その結果として温室効果ガスの削減も進んでいくことになります。

次に、「こういうインプット・アウトプットでOK」について。前田さんによると、SILにいる人たちは、何かしら社会に問い、活動し、動き続けている、とのことです。こう聞くと「大変そうだなぁ」と思いますが、何を問い、活動するかは、それは人それぞれで、そこに軽重はないようです。言い換えれば、どんなことでも口先だけではなく、言葉や行動に移している人たちが、SILという場に集っています。

なので、それぞれの人が追いかけるテーマは異なりますが、根底にある何かが共通しています。そこを土台に、多様な視点や考え方をぶつけ合う対面の場や、Discordコミュニティが、前田さんを刺激しています。彼は、かつて大企業に所属していましたが、こういう感じで個人が仕掛ける機会が少なかったそうです。その真逆の場であるSILには、仲間というより自分と似ているが違う多数のサンプルとなる人たちがいると、しみじみ語っていました。

だからか、SILにいると身が軽くなって、「こういう感じでトライし、アウトプットしていい」という感覚が強くなったそうです。「自分もできそう」という、いい意味の自信がついていく感じかもしれません。成果が出るか否かは別問題で、並行して色んなことを動かせる基礎体力がつくようです。

さて次回は、前田さんが、どんなプロジェクトを進めているのか、具体的にどういう活動をしているのか、どんな考え方をしているのか少し深掘りしていきます。そして、どうしてSILに関わり、そこにいる人たちからどういう触発を得られ、ご自身のプロジェクトが発展しているのか、気になる「SILに参画することで得られること」をご紹介していきます。


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