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そのSDGsに魂はあるか?

皆さんこんにちは。教員の山中です。今回は世界中どこからでも、オンラインで、誰でも、無料で受講ができるJMOOCのコース「SDGs表現論ープロジェクト・プラグマティズム・ジブンゴト」の紹介のため、記事を書かせて頂きました。

私は立命館大学で、教養ゼミナール「SDGs表現論」を担当していますが、それ以外は英語の教員として授業や研究に取り組んでいます。実は、SDGsは「日本人の英語」と比べながら考えてみることでよくわかる点もあるため、少しそこから話をしたいと思います。

「日本人は英語ができない」とはよく言われることですが、実際に英語が使える日本人は決して多くありません。そしてこれもよく言われることですが、なぜ小、中、高、大と英語を習っても使い物にならないのでしょうか? もしかして日本人はもともと語学に才能がないのでしょうか? (そんなことはありません)

答えは簡単です。日本人一般にとって、英語が「ごっこ」だからです。本気じゃないからです。

言語と社会を研究する学問に「社会言語学(Sociolinguistics)」という分野があります。その観点からみても、日本語は、少なくとも日本国内では相当パワフルな言語です。そして日本は強力な「日本語万能社会」です(これが良くも悪くも外国人からしたら「壁」になっているわけです)。日本のマーケットだけをターゲットにしたとしても、十分なスケールメリットがありますし、日本語であればいかなる分野の大学院教育も受けられます。テレビ、書籍をはじめとするありとあらゆるエンターテイメントも日本語で十分まかなえます。(でもそんな国は世界にはほとんどないんですよ)

だからこそ、みんな分かっているんです。心の底では。「英語なんかいらない。英語が仕事でいる人なんてほんの一握りで、自分には関係ない。」と分かっているんです。見透かしているんです。

それゆえに、日本の英語教育は「ごっこ」になります。白けるんです。一生懸命やろうにも、教室では、明らかに日本語で話した方が絶対伝わる人がほぼ全員ですから、やればるやるほど虚しくなります。ばかばかしくなると言っても良いかもしれません。

(と、ここまで書いてきましたが、英語の教員として、「だから英語はやらなくていい」とはこれっぽっちも思いません。日本語がパワフルなのは事実ですが、日本から外に一歩出れば残念ながら日本語は全く役に立ちません。世界中のほとんどの人は日本語を学んでもくれません(英語と違って)。そして、グローバル時代の21世紀、英語の重要性は日々刻々と増しています。今かろうじて日本語だけでやれているとしても、それは単なる時間の問題でしょう。)


話をSDGsに移しましょう。SDGsも構図は全く同じです。事実、デッドラインの2030年までそれほど多くの時間が残されているわけではありません。しかし2030年までにSDGsの達成が困難で、心の底から焦っている人は、一体世界に何人いるでしょうか。

単なる流行り廃りでSDGsを考えるだけなら、少しは世界のためにはなるかもしれませんが、全く本質的でないと思います。SDGsが少しずつ日本社会にも浸透するにつれ、あまりにも安易なSDGsの取り組みが目につくようにもなってきました。どう考えても、表面だけとりつくろったような、あるいはみんなやっているからとりあえず自社でも、といった取り組みが散見されます。もちろん、SDGsをやらないよりはやった方が良いと思いますし、全く関心を寄せない人がいる中、取り組み自体はとても尊いことだと思います。しかし、このままではSDGsウォッシュが巷に溢れるだけになるでしょう。

別に私はこうした傾向を非難したいわけではありません。なぜなら、ある意味でこれも「当然」だからです。英語を考えてみて下さい。同じことなんです。SDGsが自分ごとになっていないんです。人ごとなんです。人ごとである限り、ごっこです。フィクションです。達成できようができまいが、本当のところどうでもいいんです。別に達成して一人1億円もらえるわけでもありません。自分ごとになっていない限り、いつまでたっても日本人が英語ができないように、何千年経ってもSDGsが掲げた目標は達成できないでしょう。

つまり、なぜSDGsに取り組む必要があるのか、それが一人一人の心の奥底で腑に落ちていないんです。納得できていないんです。どこか人ごとなんです。これではダメだと思います。英語と同じで虚しいだけです。

SDGs表現論ープロジェクト・プラグマティズム・ジブンゴト」では、だからこそ、「マイプロジェクト」にこだわります。自分の興味・関心こそがまず先に存在するべきだと考えます。そしてそれに取り組む中で、それらをSDGsにつなげることを考えます。現状、社会で無視できないほどパワフルになりつつあるSDGsを戦略的に活用し、自分が自分らしく人生を生きる術を考えます。ここから先は、是非コースを受講して頂きお聞き下さい。

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