入学式・ガイダンスないまま、大学に入ってPCを買わなきゃと感じている学生に読んでほしい。
こんにちは。SWのICT関連サポートの者です。
今年、大学を卒業するに当たり、大学に入ってから続けていた、新入生へのPC購入の相談受付についてまとめます。ちょっと調べてみたところ、トータルで673人ぐらいにPCの購入の相談を受けてたみたいです。
そこで、卒業するにあたりこの4年間で感じた大学生が購入するPCに関してまとめていきます。一応、大学プログラム公式の購入ガイド作成に協力しておりましたので、大きく事実とかけ離れたことは無いはずです。
まず最初に示すこととしては、これはあくまで2016年から2020年までの大学生での状況の中での経験則ですので、データからみた画一的なものではないことを、ご理解よろしくお願いいたします。
<2020年3月17日 2時追記>
最近では大学でもリモートで授業を受けざるを得ない時代です。今後、大学が集会を避けて、WEBでの授業やレポート提出を求めることが、当大学以外でも非常に多くなるはずです。
そんな中、適切なガイダンスなく、いきなりパソコンが必須とも言えるような授業が出てきてしまっては、大学に入ってすぐの初々しいモチベーションを曲げかねません。
そのため、4月から大学に入学が決まっている皆様の円滑な大学生活サポートのためにも、ぜひ本記事をお役立ていただければと存じます。
もしもご相談したいことなどございましたら、twitterまでご連絡ください。少しばかり力になります。
Macが大学生に選ばれるホントの理由
さて。唐突ですが本題です。大学生、やっぱりMacがすごく人気です。(とはいえ感覚値で30%ぐらいですが、それでも単一シリーズと考えるとすごい)
私が大学生のパソコンの提案をしている中で、一般的に示されているMacを選びたいと感じる理由と実情は乖離していることがわかりました。
一般的なキュレーションサイトでは
「大学に入ったらかっこいいパソコンを使ってみたい!」
「Macは無料でPage, Keynoteとかが使える!」
「Mac使ってるとクリエイターっぽい!」
みたいな内容でオススメされていると思います。(もちろんそんな人もいますが、以外と少数派です)
しかし私が相談を受けてきた方が最終的にMacを選ぶ理由は主に以下。
「Macだと、とりあえず何でもできるから」
「Macだと、動画とか音楽とかそれっぽく作れるから」
「Macだと、わからないことがあっても人に聞けるから」
かっこいいとかデザインが良いなどの見た目や、雰囲気的に良いというような「モノ」的な意味での選び方から、「何でもだいたいできる」「それっぽく創作物を作れる」「わからなくてもなんとかなる」と「コト」的な意味で選ぶ方が多くなっています。
また、ここでの「わからなくてもなんとかなる」という表現は直感的に使えるということではなく、周りに助け船を出してもらえるという意味です。
紹介するに当たっての私のスタンス
詳細を確認する前に、私がPCを紹介する上でのスタンスと前提条件を確認しておきます。
・もちろん初めに相談者の予算、条件を優先
・OS、メーカーについては前提として狭めることは無し
・PC初心者でも安心して利用できる機種(輸入などは無し)
・関西周辺の私立大学中心(文理両方)
・私自身はThinkPad大好きな人ですが、色眼鏡なしで。
結論を述べると、最終的に選ばれるPCとして多いのは以下のとおり。
王道
・生協推奨 Windows PC(DynaBook、Let'snoteなど)
・MacBookシリーズ(MacBook air、MacBook Pro)
・Surfaceシリーズ(Surface Laptop、Surface Pro)
提案が多い例
・格安Windows PC(ASUS、Acerなど)
・ゲーミングノートPC(Mouse、Dosparaなど)
正直、わからない人は王道のどれかを選んでおけば、大学生活はほぼ問題ないと思います。安定安心の生協保証がついてるとなおよし。
格安PCは人を選びますので、相談できるような人や状況がわかる学部の先輩等がいない方は選ばないことが吉です。ただ、激安よりもそれなりにいいものを安くをおすすめしています。
ゲーミングノートはゲームがしたい方というよりも、クリエイターユースでクリエイターPC程もスペックがいらない方への提案が多いです。(3D CAD使用や動画編集バリバリしたいけど、持ち運びたい方用)
ゲームがしたい人はおとなしくBTOのデスクトップパソコンを購入してください。絶対に幸せになれます。
スペック的な理由は他のサイトにいっぱい書いてるので、WEBで検索してください。正直、スペックは高ければ高いほど良いです。
ちなみに、一般的な大学生は糞重い動画や画像を圧縮なしにパワポに大量に埋め込むので、「オフィス程度なら格安でいいでしょwww」とか言うのはお門違いな話です。みんなスマホの自動圧縮になれてるんですよね...
ここまではただ単にそれなりにいいPC買ったほうが大学生活良くなるよというお話です。
ソフトウェア的にも、シェア的にも普遍的なWindowsではなく、なぜMacが選ばれるのか
さて、疑問が生じるのがここです。
世間一般の企業では、Windowsが主流であり、Macユーザというのは世間的には普通じゃない(多数派でない)選択をした人です。
<2020年3月17日 2時半追記>
Windowsがわからないのが問題なのかはさておき、企業で一般的なのはやっぱりWindowsです。
そこで一般的な業務使用を仮定して、Windowsを利用せざるを得ない理由とMacを採用せざるをえない理由を考えます。一応、私もMacを購入したことはあるので、それも踏まえて。
Windowsを採用せざるを得ない理由
「値段的な問題で、経費で落とせる限界値のものを揃えた」
「クリエイターPCとして利用するため、パーツ組み換えが必須」
「フリーソフトでなんとかなるように予算を抑えたい」
Macを採用せざるを得ない理由
「iPhoneアプリの展開を行っている以上、Macを利用せざるをえない」
使い勝手の良さとかそういう私情を挟むと色々理由はでてきますが、私情を挟まない場合、Macを採用せざるをえない状況は非常に少ないです。
これはWindows自体がOSとして、複数のメーカから機種が出てるから、ソフトウェアの選択肢が幅広いからという機械・ソフトウェアとしての汎用性が高いことを示しています。一方で汎用性故に、特定業務に適した形でデバイス・ソフトウェアを選定する必要があるという特徴も考えられます。
しかし、大学生にとって「Macだと、とりあえず何でもできる」といえてしまいます。逆説的ではあるものの、スペック上等でそれなりに何でもできるけど、特定業務に適した形でのコアユースには向かないことが特徴と考えられます。
実際問題、Windowsは業務には万能ですが、色々するためにはそれなりの知識と経験が必要です。もちろんデバイススペックも理解してないと、使い物にならないこともあります。(動画編集で考えると、初めてaviutlを使うのとかめちゃ疲れますよね)
一方、Macであれば最初からいろんなソフトが無料で付いて、それっぽく創作したり、それっぽく仕事ができてしまう。(動画編集で考えると、iMovieですね。高校生の妹が5分で理解できるレベル)
パーソナルユースで考えると、初心者でもそれなりに何でもできる。デバイススペックも画一的でソフトウェアもはじめから色々使えるから、個人でやりたいことレベルはほぼできる。ただ、専門性高いところまでは手が届かない。
ジェネラライズ化する大学
ここで、大学に入学する学生視点で捉えます。
大学生が前述したような何でもできることを求める理由は、大学教育が普遍化しつつあることが理由にあると考えています。
旧来の大学であれば、理工学部ならばUNIXベースで開発を行うためにPCを用意するとか、文系ならパソコンなんて卒論とレポートにしか使わないからということが一般的でした。
今の学生は「大学で何をしたいか・できるかわからないから、とりあえず」という風潮が、新入生の話を聞いてる中で非常に多く上がっています。つまり、専門性を求めて大学教育を受けたがるというより、とりあえず大学に来た人が多くなっているはずです。これは相談受けた中だと、旧帝などの学生とかのほうが多かったのが意外です。(というか、やはり自分で決められる方が旧帝目指す方は普通なんでしょう)
しかし、これ自身は悪いことばかりではなく、学生それぞれがプロジェクトを持つきっかけになっているとも考えられます。それぞれが自立するためのタネとなる機械(機会)を持てているわけです。
これこそが今の大学生がMacを欲しがる理由に強く影響を与えていると考えています。外見で選ぶのよりも機能、そして自分がやるコトにマッチしやすいとのことで選ばれている肌感覚があります。
筆者の戯言
長くなりましたが、結局は好きなものを買えなんですけどね。個人的にはThinkPadを皆様に是非お買い求めいただきたいのですが。団体内には共感してくれる人はいなくてショックです。
ちなみにThinkPadはクーポン購入が必須です。忘れずに。
楽しい赤ポチライフが待っています。長々と失礼しました。
おまけ1:炎上した例の記事。
なお、途中で引用させていただいたツイートは一時期、MacBookスゲー()と炎上した某ちんあ○なご先輩のtogetterにまとめられていたツイートです。(個人的にはMac使える人がWindowsでめっちゃ困るみたいなことは、あまりないような気がします。逆は大変ですが)
炎上した元記事は貼りませんが、個人的にずっと参考にしているひつじ先輩(BTOパソコン.jp)の情報がすごく面白かったのでそちらを共有します。ある意味、大学生はネットビジネスとか色々聞くと思うので、見ておくことをおすすめします。
おまけ2:中小企業情シス(+副業CTO)として感じること
<2020年3月17日 2時半追記>
あと、本内容を書いている中で、BYODが標準化した社会における中小企業での一般的な人材の受け入れで注意しておいたことがいいこともわかってきました。
現在の学生はそこそこいいIT環境で学習をしていることが非常に多いです。それこそ事務員になってよく使うようなCeleron RAM2GB HDDみたいなPCだと、こそばゆくなるぐらいのハイスペックPCを使って。
そんな彼らがビジネスの現場に入ったとき、本当の力を発揮できるのか。逆に自分自身が彼らの力を引き出すことができるのか。もちろん新社会人になるなら、会社に適応するのが普通という考えもありますが。私は中小だからこそ、良いものを与えたほうが強いコストパフォーマンスを誇ると考えております。
非常に難しいシーソーゲームをしなくては行けないと思います。
個人的には今はなきPCNETジャンクとかを直して使うとかでもいいとは思うんだけどね。(たまたま出てきたので供養)
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