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夜を乗り越える/又吉直樹


自分のことがまったくわかりませんでした。どんな人間か整理することができませんでした。明るい/暗い。強い/弱い。どちらにもふりきれない。そして、そんな話ができる相手はどこにもいませんでした。

→その悩みや迷いがあり、もしかしたら話ができなかったおかげで考え、進めてきたからこそ、今の又吉さんなんだと思います。


「ガリ勉」とか「文化人」と呼ばれる人やそれに類する人を馬鹿にしていいという社会通念はなんなのでしょう。僕は創造性の高い表現にもっと触れていたいので、そういう人達が生き難い世界は嫌なんです。わざわざ馬鹿にしなくても、他の業種と同じように芸術家の日常にも苦痛は伴うはずですから。そういう幼稚な感覚は破壊したいんです。

→色んな視点を持った想像力の豊富な方だからこそ、こういう強い言葉は響く。応戦します。


劇場で、暗くてキモくて、なんか怖い、愛想が悪いと言われていた自分を思い出します。世間のことは考えず自分だけが信じている言葉。その感覚が大事だなと思います。

→世間に馴染んだ自分に合わせていく方が多分生きていくのにハードルは少なくて、楽とも言える。けど、世間とのズレを自覚しながらも自分の感覚を信じられるって、すごい力の要ることだと思う。


でも、弱いってそもそもいけないのかとも思うんです。弱いと言われることだって、人間には起こり得ることなんだと。強いとは立派なことですが、強いことによって知らないうちに人を傷つけていることもあるんだと。強くなれ、というその言葉で人は傷つきます。それだけはわかっておいて欲しいと思うのです。

→こういう考えを発信してくれることが心強い。これって本当にそうなのかな、みたいな想像力が思いやりの全てだと思っているし、そういう考えを持った人を尊敬する。

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又吉さん大好きなので、魅力を頑張って文章化してみる。

静かに見つめ、色んなことを考えていて、暗い思考そうに見えてその中で考えていることが面白くて。

なんで面白いかって、普通の人の先の先を行く想像力を持っているから。

明るく前向きに華やかに生きている人たちのこと、素敵だと思うし、尊敬する部分もあるし、羨ましいこともある。

けど私が魅力に感じるのは、常に何か曖昧なものを自分の中に持ちながらそれについて考えを巡らせ、そうこうしているうちに色んな視点が浮かびすぎて変な結論に至ることがあったり、解決せず分からないままだったりしても、そういう人。

そういう人たちの声って、教室や会社ではなかなか聞こえない。
もっと聞けたら良いのにな。

曖昧なままでも良いし、世間一般と違くても良いし、だからこそ人が考えていることって面白いと思うから。

そういう言葉こそ聞きたいから、又吉さんのYouTubeも、本も、出してくれてありがとうございますという気持ち。

なぜ本を読むのか、というところについても沢山共感したのですが、その内容についてはまた別で文章にしたいと思います。

又吉さんが読書について書いたこの本を読んで、また読みたい本が増えた。楽しみ。

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