流星《SF・微JUNE短編小説》
『流星:SF・微JUNE掌編集』から、お試し読みを兼ねて表題作を掲載させていただきます。
(縦→横変換とネット掲載に伴い、行頭一字下げの省略、ルビ→括弧書きなど体裁を変更しています)
丘のうえで、僕の幼い息子が夜空を見上げている。田舎の澄んだ空気越しに、まき散らしたような星が見える。近くの民家はうちだけだから、邪魔する光もない。息子は白い息を吐いて、無邪気に叫んでいる。
「流れ星!」
流れ星の多い時代だ。
僕が生まれる前からずっと。
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