見出し画像

「バーチャルに居場所はなかった…」

表題の通り、私個人としては「バーチャルに居場所はなかった…」と思っている。

(誤解のないように言っておくが、決して「バーチャルに自分の居場所がないから立ち去る」という意味ではなく、バーチャル空間に居つく優先順位が高くない…という意味でだ)

前回のVi-Crossの記事で「Vが生き残るには継続が大事」と紹介した。

ただ、これはあくまで「自分の時間に余裕がある範囲で無理なく継続する」という意味でだ。

VR市場全体で考えた際、技術者・クリエイター、あるいは広報や営業、タレント、リスナー…「あらゆる人間がバーチャル空間で生きられる未来」というのは、あまりに時間がかかり過ぎる。

また、上流企業の経営方針にも左右される部分が多いため、一個人ではどうこうできる問題ではない。

現実的に個人単位でできることがあるとすれば「バーチャルアバターを活用して何らかの活動を行っているプレイヤーが増える」状況を絶やさないことぐらいだろ。

今回はその理由については割愛するが、今後のVR機器の市場普及、アバター文化の定着、あるいはアバター対応ツールが増加する未来を思えば「バーチャルアバターを被ってVR空間(ネット空間)で何かしらの活動を行う体験」が多くの層に定着するのは、何かと都合が良いのである。

わかりやすい話をしよう。

多くの日本人は、コンビニやスーパーで「レジに並んで現金通貨を支払って物を買う」という体験が定着しているが、これは一種の洗脳や教育の賜物である。

(現実での取引経験があればわかると思うが、金銭的な取引は実に面倒な工数が多いにも関わらず、小売での消費行動は極限までシンプル化されているのだ)

直近の例で言えば「軽減税率導入に伴い、クレジットカード・電子マネー決済でのポイント還元」なども、主目的に「現金以外での購入体験を国民に浸透させる」という狙いがあった。(と思われる)

その後、2020年7月から「マイナポイント」による、マイナンバーカード普及および、決済システムへのマイナンバー紐づけなど、政府・金融庁に都合のよいマーケティング政策が進行している。

話が逸れたが、私がVR技術・VTuberなどの最先端技術や独自の文化に興味や関心を持って携わっているのは「将来性がある」と感じているからだ。

(もちろん、単純に「面白い」と思う部分や、好きな配信者やクリエイターに活躍してほしい気持ちもある)

極論、VR技術は生活にはまったく必要がない、無駄な技術である。

ただ、それはあくまで「今までどおりの生活を送るのであれば…」という前提があってのものだ。

先ほどの「クレジットカード決済や電子マネー決済の普及」「マイナンバーカード普及および電子決済のマイナンバー紐づけ」に話を戻そう。

これらの施策が進んだ末、99%の国民が電子決済しか使わなくなったら「クレジットカードや電子マネーを持たない国民と電子決済システムを導入していない店舗では取引が成り立たない」という状態になり、現金通貨を使う方が時代遅れとなり不便となる。また、状況として「クレジットカードか電子マネーを持たないとまともに買い物すらできない」こととなる。

私の普段のツイートや過去のnote記事をお読みの方はご存知だろうが、私の専門領域は「マーケティング」である。

マーケティングスキルは何かとネットで嫌われやすいが、上記のように「強制的にプレイヤーの行動選択肢を縛った上で変化を強要する」からだ。

本来、影響力を持たない個人に、何かを選べる権利などない。

多くの行動選択肢が、巧みなマーケティング施策により「選ばされている」だけに過ぎないのだ。

なので、理想論で言えば、全国民・全世界の人間が「バーチャルアバターを持たなければ生活できないレベルの何か」を作り出せば、嫌でもバーチャル空間に入らなければいけない状況を作り出し、VRの現実進行、全人類バーチャル化計画は達成できる。

そうなると、当然のごとく「嫌々バーチャルアバターを被っているだけ」の輩も現れるだろうが、その手の輩にはエンターテインメントや趣味してバーチャル空間を楽しんでいる人が、かっこいいアバターや可愛いアバターを被せて洗脳してしまえばいい。

話が長くなったが、何が言いたいかと言うと、

現段階では、とにもかくにもバーチャル空間に一人でも多くの人間を引きづり込み、アバター体験をさせる段階

にあるのだ。

そのために、前回の記事で「継続することが大事」と伝えた。

これは言ってしまえば「ダラダラ目的なくバーチャル空間で過ごす人が増える」「SNS・動画マーケティングで文句言いながらもVTuberを追いかけるリスナーが増える」ことすらも、ありがたい状況にあると言える。

ただ、私個人としては可処分時間を無駄にしかねないので「もうバーチャル空間に居場所はない…」と言っているわけだ。

(もう一度誤解のないように言っておくが、無駄にダラダラVR空間で過ごす気がないと言ってるだけで、定期的に趣味や遊びでVRChatにログインしたりする程度ならするつもりなので、完全に切り離すという意味ではない)

これは良くも悪くも「割り切り」でもある。

バーチャル体験の追求はネイティブ世代に任せて、私は自分の領域や得意な分野で、苦にならない範囲でVRアバター文化の普及に加担すればいい。

そのアンサーのひとつが「Vi-Cross」という、文字媒体プラットフォームでのマガジン連載および、ライター(情報発信者)の連携という、極めてコストの軽い方法なのだ。

もし読者の方も、内心ではバーチャルやVTuberに「飽き」が来ているのであれば、少し関わる時間を減らしてみて、持続可能な範囲で「継続する」ことを意識しつつも「VRやVTuberを知らない人にバーチャルアバター体験をさせる機会」を作り出してみるといいだろう。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?