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第106回日本選手権の写真

中長距離種目を中心に各種目、数枚掲載していきます。それぞれ、私が観客席から撮影したものですが、グラウンドレベルから撮影していないので、割と観戦を楽しみながら撮影していました。

※ 無断転載・無断使用は固くお断りさせていただきます。

5/7 男子10000m決勝

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軽めのPanning shotです。動物(鳥やチーターなど)、乗り物(自動車、電車など)、スポーツ(自転車、F1など)などでよく撮影される手法ですが、この時点では時速20km未満(スタート時の加速段階)なので、また違う趣となっております。

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日本選手権で2回目の優勝を果たした相澤晃選手(旭化成)。逞しい大腿部が印象的でした。


5/7 女子10000m決勝

女子でもPanning shotで撮りました。彼女たちのスピード感がより伝わるかもしれません。

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Panning shotは練習が必要です。そうでないと成功確率はそこまで高くないと思います。光量とシャッタースピードの関係から夜間に撮影がしやすいですが、NDフィルターを使うと日中でも撮影できます。

10000mは周回数が多いため、いろんな写真を撮るチャンスがあるので、こういった撮影方法を試みました。


6/9 男子1500m予選

中距離はトラック種目の中で最も写真のバリエーションが多いと思います。

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例えば、800mや1500mはこうやって2-3レーンにまたがって多くの選手が「我先に」とフィニッシュに向かうシーンがありますが、3000m以上の種目ではよほどのスローペースにならない限りはこういった写真は撮れないと思います。

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レベルが拮抗している選手権において、中距離種目は集団が団子になって(縦長ではなく)進む局面が多いので、そういうシーンではグラウンドレベルよりもスタンドの遠目から俯瞰するように撮影するほうが各選手の思惑というか表情をより捉えられるのかもしれません。


6/9 U20男子5000m決勝

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スローペースでしたが、吉岡大翔選手(佐久長聖高3年)がラスト1000mを2分29秒台でカバーしました。

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ともに全国高校総体に進むであろう長嶋幸宝選手(西脇工業高3年)との対決が楽しみですね。彼らは速い選手ですが、成績も安定しているので高校やU20のカテゴリにおいては強い選手だと感じます。


6/9 男子5000m決勝

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2連覇の遠藤日向選手(住友電工)は前半は後方から落ち着いてレースを進め、中盤で先頭集団に追いつく時は一気にペースを上げるのではなく、じわじわと差を詰めていく。実に落ち着いていて、エネルギーロスの少ない、大迫傑選手のような勝ち方だったと思います。

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もしかしたら過去の日本選手権のレースの映像を見て、レースプランをイメージしていたのではないでしょうか。


6/10 男子100m決勝

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優勝したサニブラウン選手は「やはり強い」の一言。予選の段階で優勝するに違いない、という感じでした。決勝では前半に遅れたものの、後半に修正して優勝。この後はダイヤモンドリーグに出場して7月にピークを持ってくるということで、6月上旬はまだピークでなかった印象。

普段はフロリダ州ジャクソンヴィルで名コーチのラナ・レイダー氏のもと、複数名の世界大会のメダリストと汗を流しているサニブラウン選手。かつての大迫傑選手もオレゴンプロジェクトで世界大会のメダリストに囲まれて練習をしていたように、一つ一つの当たり前のレベルというか意識が高いんだろうなぁと。


6/10 U20男子1500m決勝

超スローペースでラスト500mからレースが動いた。ラスト1周が51-52秒台。

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私はコーチではないので、ストップウォッチを持って測っていたわけではないけど、U20のレースでこの上がりのレースは「さすが全国大会」というところ。見応えのあるラストの直線でした。

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大牟田高は中距離が調子良さそうなので、全国高校総体の1500mが楽しみです。また、スボルメのユニフォームなんですが、スボルメの渡邊社長がこの写真を見てくださっていて。ちなみに、渡邊社長は國學院大の前田監督と同い年で、渡邊社長は國學院久我山サッカー部 → 國學院大です。


6/10 女子1500m決勝

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この1枚で説明不要の「絶対王者」。


6/10 男子1500m決勝

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1, 2, 3, 4, 5....10, 11とカメラのほうを数えたそこのあなたはカメラ好きかも。

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大会前の合宿では一緒に練習をした2人。荒井七海選手(Honda)は今季好調の飯澤千翔選手(東海大)を意識していたように見えました。

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優勝した飯澤選手はポジションどり、ラストの抜け出しのタイミング、ラスト100mの余力度などを見ていると「狙って獲った」初優勝。

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フィニッシュ直後の雄叫びが印象的でした。「狙って優勝した」というのがよくわかるシーン。日本選手権初優勝の喜びも束の間、彼や西出仁明コーチは3:35.00のユージン世界選手権の標準記録を狙いに次のレースに向かっていくでしょう。


6/11 女子3000mSC決勝

競走型のスポーツの世界では終始先頭で1着になることを英語で“Wire-to-wire”といいます(競馬が語源です)。中長距離種目では、先頭を走れば、目標にされる、後ろでドラフティング(空気抵抗を軽減)される、他の選手の動き分かりにくい(振り向かないといけない)などリスクが多いです。

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この日は東京五輪に出場した山中柚乃選手(愛媛銀行)がオリンピアンらしく、終始独走のWire-to-wireでの2連覇。彼女はこの後に紹介する三浦選手と同様に大体の設定ペースを決めていたと思いますが、山中選手の果敢なレースぶりもあって、このレースの上位4名が9分30秒台後半の大会新 / 自己新。

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このレースは今回の日本選手権で最も印象的なレースだったかもしれません。こういう時に大半の観客がスタンディングオベーションで拍手するような空気感だと、もっと日本で陸上競技の人気が高まっている状態なのかもしれません。

少なくともユージンや欧州の大きな競技会ではそういう雰囲気があるように見受けられます。


6/11 男子3000mSC決勝

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三浦龍司選手(順天堂大)が水濠の飛越後に転倒してしまったのが、去年の日本選手権の6周目です。

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今回は雨だったので転倒のリスクが心配されましたが、転倒がなく無事にレースが進み三浦選手が見事2連覇。

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優勝した三浦選手だけでなく、2位の青木涼真選手(Honda)がPBで世界選手権の標準切り。昨年のレースを思い出しましたが、一方では3位の山口浩勢選手(愛三工業)は標準に届かず。フィニッシュ直後は2人の対照的な表情が印象的でした。


6/11 U20男子3000mSC決勝

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雨の日に、雨がある程度降った後に、雨が止む時。その時はリフレクション(鏡面反射)の写真を撮るチャンスです。ですから、それを上手く撮ろうとスタンドの最上段から仕留めました。

フランスの陸上メディアのインスタで紹介していただきましたが、気象条件に恵まれないと撮影できない1枚だけに、簡単に撮れるものではありませんが、これは気象条件を考慮して「狙って撮った1枚」でした。


6/12 男子800m決勝

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選手権の中距離レースは展開や位置取りがありますので、100回やれば100回違う結果になる、といっても過言ではありません。ですから、レースを見ている人たちも集中して見ることが重要です。

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6/12 男子110mH決勝

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これは2台目のハードルですが、ライブ配信やTV放送の画角よりも、グラウンドレベルでの間近の迫力ある感じが短距離では重要かもしれません。そういう意味では、長居といったサッカーの試合が行われるような総合競技場よりも陸上専用のヘイワードフィールドのようなコンパクトな形の競技場で日本選手権やレベルの高い大会を開催したほうが、より臨場感というか迫力を感じられるかもしれませんね。


6/12 U20男子3000m決勝

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隠と陽。先頭集団の選手が陽で、先頭から離れている選手が隠になるように撮影しています。

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右側に余白を設けることで1:1の構図にしています。この大会ではほとんどが縦で撮影しましたが、これは意図的に横で撮影しました。


6/12 女子5000m決勝

短中距離ならリレーと個人種目で大会期間中に5回レースに出ることはあっても、中長距離で計5回レースに出場した田中希実選手(豊田自動織機)。

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彼女自身も、そして大会自体も最後のレースということで、出場種目がハッキリとわかるような1枚に。


ということで10000mも含めると計5日間でしたが、楽しんで撮影できました。フィニッシュ後の感極まるシーンの撮影もドラマティックではありますが、それ以外のシーンのショットを多く掲載させていただきました。

余談ですが、Two Laps TCの選手の写真を撮影されていた、ビデオグラファー / フォトグラファーの岩國さんが今大会で使用されていたレンズは、たぶん私のものと同じだと思います(違ったらすみません...)。

報道関係の多くのフォトグラファーがキャノンやソニーなどの"白レン”の望遠レンズを使用しているので、ブラックの超望遠を持っている人はすぐにわかるのと「多分自分で買ったんだろうなぁ」というところです(私はもちろん自分で買ったのですが住民税+αぐらいの値段です)。

結論からいうと、シグマのレンズは重いんですが、それ以外に部分は超絶オススメです。それと... 私は超望遠でも一脚派ではないので今後は上半身の筋トレにも注力していきたいと思います!

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