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遠ざかるカルボナーラ

私は最近スパゲッティに興味がある。

以前よりもご飯としてスパゲッティを食べたくなることが増えた。
たまにスパゲッティ屋でバイトするようになったからかもしれない。

以前はスパゲッティといえば、カルボナーラにしか興味がなく、人からスパゲッティを食べようと誘われても、カルボナーラ一択だった。

しかし、興味が出てきてよくスパゲッティ屋に行くことが増えた今、メニューを選ぶ時に「まあカルボナーラは普通すぎるし、せっかく外食してるから違うのにしようかな」と思ってしまうようになった。

別に楽しみが増えたからいいとは思う。
問題なのは、“カルボナーラを食べたい時も”同じように考えてしまうことだ。

スパゲッティ屋に来て、「今日はカルボナーラの気分だな」と思っても、「いや普通すぎるか?」と思い、葛藤の末に全く別のメニューを選んでしまう。

そして頼んだ後に、私は今日の自分の意思に反するとんでもないことをしてしてしまったと後悔する時もある。
ここで店員を呼び出して「やっぱカルボナーラで!」と言いたい気持ちもあるが、だるい客だと思われるし、言えたとしてもカルボナーラを食べながら、次は店員さんへの罪悪感で、カルボナーラを全力で楽しめないかもしれない。

私は一回一回の食事を全力で楽しみたいと思いながら生きている。
だからこそ、今日の食事はこんなに普通でいいのかという疑問から、カルボナーラを食べたいのに全く別のものを食べるという内的奇行に走ってしまう。
(側から見たら何も起こってないように見えるが、私の中では奇行と感じる)

自分の食事に対する考えは好きなのだが、それが逆効果になり自分を苦しめている。
私はいつになったら以前のように、堂々とカルボナーラを頼めるのだろうか。
もう頼めないのかもしれない。
一度でいいからあの頃に戻りたい。

でもそんなことはできないので、誰か私の生活圏内にカルボナーラ専門店を作ってくれたら嬉しいです。
もう存在しているのなら紹介してもらえるともっと嬉しいです。

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