カーヴェを紐解く - 2023/05/12 日記#151
・ストーリーは見終わったけど、ミニゲームの類いはまだこれから。
・私は普段原神のストーリーをじっくり見るのは本当に苦痛で、これは原神のストーリーが悪いわけではなく、ただ私がゲームという媒体においてストーリーを読んでいる時間がもどかしい、自分で操作させてほしいと思ってしまうからなのだけど、今回はちゃんと最後まで内容を理解して読めた。
・これ、カーヴェの伝説任務だっけ?
・ちなみに、私はまだカーヴェのキャラストーリー2までしか開放していないし、アルハイゼンの伝説任務もまだやっていないので、この考察はすべて開放後にはまるきり変わってるのかもしれない。
・あと、私は普段BLの話ばっかりしてるけど、カーヴェ(とアルハイゼン)を紐解くにあたって、恋愛感情の話は一切しないし、考慮もしない。
・まず整理すると、20年前、カーヴェの父親はカーヴェに背中を押される形で学院祭に参加することになった。その学院祭の最中に冠を手にしたカーヴェの父は冠に残っていたサーチェンの意識に影響を受け、砂漠へ行き失踪、そのまま亡くなってしまった、これで合ってるかな?
・その過去の罪の意識(自分が父に学院祭の出場を打診しなければ、父は死ななかったし母も自分も悲しむことはなかった)と父譲りのどこまでも善人的思考から、カーヴェは今もなお人助けをし続ける。
・その因縁の冠とカーヴェは今回決着をつけることが出来たのだけど、きっと彼の本質は何も変わらない。これからも贖罪や正義のための善行をやめることは出来ない。
・父が死んだのも自分のせいだと自分を責め、落胆する母親も自分が支えなければときっと過剰に明るく振る舞って、とにかく親の顔を伺う子供時代を過ごしたんだと思う。
・その結果、今でも取り返しの付かない罪を犯さないように周りには気丈に振る舞い、人を信じ、思いやり、しかも一方的に与える立場であろうとする。自分なんかが好かれちゃいけない、と思っている。
・彼の善性は、自己犠牲の元に成り立っている。一種の自傷行為と言ってもいい。誰かに優しくすることで自分の罪の意識を再び認識し、苦しみながら生きている。カーヴェが見せる矛盾は、表で見せる善良さと、心の内に抱えるセルフネグレクト。なんて繊細なんだろう。
・今回の砂漠でも下手したら死んでたレベルの無理をしたり、アルハイゼンも「彼(ティナリ)のような善人がいるからこそカーヴェが生存していられるのかもしれない」とコメントしていたりする。
・このどこまでも繊細なカーヴェという男、イベントだけ見たら「良い奴だな~」と思うけど、ちゃんとその背景を知っていくと、かなり闇が深い。
・家族というトラウマに加え、カーヴェが自分自身を苦しめている要因はもう一つ、プライドだと思う。
・破産して借金していることや、アルハイゼンとの同居など、かなり慎重に隠している。アルハイゼンに対して、自分が先輩だとしきりに主張するのもそう。カーヴェの元来の明るくて社交的な性格だったら、自分のマイナス面もあっけらかんと話してしまいそうだけど、そうではない。
・これは、完全にカーヴェのプライドと自意識からきている。弱みを他人に見せられなくて、表ではデザイナーとして大成功を収めていて、何の苦労もなく生きているように振る舞っているらしい。面白い男だよ。
・というか、カーヴェの明るい社交的な一面は表向きであって、実際のところは誰かを傷つけるのが怖い、臆病な面とか、プライドが高く芸術家気質な面とかが隠れているだけなんだろうな。
・そして、そんなカーヴェの本質を理解して、本音や甘えをすべて一人で受け止めているのがアルハイゼンという存在。凄いよ。マジで。カーヴェの自己犠牲的な行動に小言だけで済ませて、手出ししすぎず、一番近くで見守るという立場を取れるのって凄くない?
・アルハイゼンもアルハイゼンで、自分の言いたいことはちゃんとカーヴェにぶつけるし、だけど逃げ道も作りすべて塞ぐことはしない。カーヴェもアルハイゼン相手だったらちゃんと怒れる。
・カーヴェにとって善意を向ける必要のないアルハイゼンの存在は貴重だし、アルハイゼンもあれだけ家が大好きで面倒事は嫌いなのに家に置いておけるほど信頼のおける(?)カーヴェという存在はかなり貴重。
・最初は「アルハイゼンはヒモを飼ってるらしい」と言われ、徐々にキャラクターが明かされると同時に「逆にアルハイゼンと同居できるカーヴェって奴の方が凄いんじゃ……?」と噂になっていたけど、やっぱりこのカーヴェもかなりの問題人物だったわけだ。
・前述した通りカーヴェは表向きはかなり善良な人間なので、周りの評価は例えアルハイゼンに金を出させていたとしても、カーヴェ側に同情する方が多数になる。でも実際のカーヴェはアダルトチルドレン的な問題を抱えていて、その不安定さを実はアルハイゼンが一人で請け負いコントロールしているのではないかな、と思う。
・アルハイゼン自身は本当に感情の読めない奴なので、カーヴェ請け負い人であることに対してどう思っているのかはわからないけど、少なくともカーヴェの実力は認めているし、一緒に生活することも受け入れている。
・待機モーションでアルハイゼンがカーヴェの鍵も一緒に持ってきてるモーションがあるけど、普段ふたりともどこに鍵置いてるんだろう。玄関には置くようなスペースなかったし、リビングのテーブルかな。
・リビングのテーブル、ちゃんと2つずつコップがあって、この人たちあんだけ喧嘩しながら二人でリビング使うんだ、とびっくりした。私なら自室に引きこもる。
・書斎の窓際のテーブル、カーヴェのじゃないか?という考察が出ていて、確かにコップやフルーツが置いてあるのがカーヴェっぽいな、と思った。
・ここの台詞はさすがに頭抱えた。普段からカーヴェってそうなんだろうな。アルハイゼンはきっといつも食事会には積極的に参加しないし、いない時は余った分を持って帰るのか。家で飲み直すとか、言い訳しながら?
・この二人、よくわからないところでお互いへの優しさを発揮するよな。
・そもそもお互いに一緒に住むことを妥協して許せている時点で、相性は最悪だけど、似た者同士というか、鏡というか、そんな存在な気がするね。カーヴェはめちゃめちゃ家出たがってるけど。アルハイゼンも早く出てけよとは思ってるだろうけど、出てった後はきっと寂しくなるよ。
・家庭や家というものに憧れ、理想、こだわり、執着、色んなものがありそうな二人が、不器用ながらに二人で暮らすことを了承し合って作り上げていってるの、良いな。
・私は理想主義で善良なカーヴェの考えをまったくもって理解できないし、どちらかというと現実主義のアルハイゼンの方が共感できるタイプの人間なのだけど、カーヴェの元々の性質に加え、過去の贖罪意識がそうさせるのなら、納得できるしかなり興味深い。
・サーチェンの突き詰めた真理は確かに最悪だしそうであって欲しくないものだったけど、私は間違ってるとは思わない。
・いつかカーヴェも自分を許せるようになるといいね。
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