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ナナオさんの動画で知る”ファンじゃない目線” - 2023/03/09 日記#88

・ヘッダー cr. YouTube @nanasefuji0721

このnote内では動画の内容を一部抜粋して書き出しています。
悪意ある切り取りにならないよう配慮しますが、文章量の関係で中略している箇所も多数あります。
そのため、動画も合わせて読んでいただくことを強く推奨します。

・こちら、Youtuberのナナオさんが『美しい彼』を見ておしゃべりする動画。

・面白かった。

実写BLの立ち位置の変化

・「実写BLって5、6年前はBL作品に出てまで売れたいのか、と思う役者さんしかやっていなかったイメージだけど、今は若手の登竜門のような扱いになってきてる(要約)」正しい。

cr. 美しい彼、チェリまほ…今急増中の「実写化BL」って何から始まったの?-ちるちる
(アダルトサイト扱い?のため、リンクを貼るとnoteが投稿できません)

・ちょうどぴったりこの頃だね。

・転換期はやっぱり2018年のおっさんずラブと、2020年のタイBLの台頭。
 →参考:タイBLブームと日本実写BLの過渡期

・上のnoteにも書いたけど、この頃の実写BLには、今でいう2.5次元やいわゆるイケメン舞台のような、女性向けの演劇界隈では名前が知られている、逆に映像界隈では無名の俳優が多かった。

・だから、BLに出てまで名前を売りたい、というイメージを持たれるのも納得できるし、中にはそういう役者さんもいたと思う。

・なぜ舞台中心の若手俳優が起用されていたのかと言うと、おそらくギャラがあまり高くなく、NGも少ない(売れてやろうという心意気がある)、なおかつある程度名前が知られていて集客が見込める、BLファンにも受け入れてもらいやすい、ちょうどいいラインだったから。たぶんね。

・そこからなぜ今は若手の登竜門的な立ち位置になりつつあるのかというと、おっさんずラブで世間的にも有名な俳優たちがBLをやって作品が成功したこと、タイBLや中華ブロマンスの俳優たちがスターダムにのし上がり人気を博していること、連続ドラマでの制作が多くなったこと、この3つが要因かな。

・もともと実写BL自体の作品数が少なかったため、特にアジア圏のファンは自国だろうが他国だろうがお構いなしに、みんなで各国の作品を共有して楽しむ文化が強い。

・私がタイBLにハマった2017年頃、日本のファンも他国のファンも、当たり前のように大陸BLも好きだった。今では日本の作品が増えたので海外に手を出さないファンもいるけど、逆に2getherや陳情令あたりから入った人はアジアBL全般チェックしてる人が多いイメージ。

・そういう土壌があるので、実写BLに出ることは、一番手っ取り早くコアなファン、そして海外ファンを獲得出来るというメリットがある。日本の芸能界はなかなか海外ファンを獲得しにくいから。その分CPファンが増えてうるさいというデメリットもあるけど。

ここから『美しい彼』の話

・序盤の「親の転勤で一人暮らし?」とか「なんで廊下に花びら舞ってるんですか?」とか「ワイヤレスイヤホンもない時代か?」とか「(水掛けシーンみて)そんなことしねえよ!」とか、このドラマにおけるご都合部分にすべて突っ込んでくれているのが最高に気持ちいい。私も同じように思っていたから。

・このナナオさんが突っ込んでるところ、全部ドラマオリジナルシーンなんだよ。原作もまあBLなのである程度の萌え重視ではあるんだけど、ここまであからさまなご都合による違和感は少ない。

・水掛けシーンの、「こっちが友達だと思って反撃したら、ビンタされる」という表現、とてもいい。わかる。まさに平良もそういう思考の持ち主。だから、私はこの水掛けシーンや二人乗りしてる時の「もう一回言って?」とか、ドラマ版で平良が清居をからかったり強めに出たりするシーン、あまり好きじゃない。もちろん、ドラマ版にはドラマ版の関係性があるので、それを否定したいわけではないけど。

・2ケツでしっかり警察に捕まり学校にも告知される。これ創作物だと見逃されがちだけどちゃんと通報される現実を描きつつもストーリーにつなげたのは上手い。

・ナナオさんは、動画で見ている感じ、過去にいじめられた経験?それに近しい経験?をしてきていて、男性が使う強い言葉や強い語気がかなり苦手らしい。

・そういう立場の人から見た清居という人物が怖く映るのは、今まで見たファンの感想にはない視点ですごく面白い。

・そのいじめられる側である平良も、甘んじて受け入れているというのが、なんで苦しくないの?と自分との違いを見せつけられてしまってつらいかも。

・私もこのドラマが作られる遥か前、原作を買うか迷っていた時にみたレビューで「清居の性格が悪すぎて趣味じゃない」という書き込みがあり、怖気づいて買うか迷った経験がある。

・結果として、私自身は性格悪い子が大好きということに気がついたのだけど、清居のきつい性格って確かに、ナナオさんのように苦手な方は一定数いそう。

・そして、ナナオさんは中盤で気づいていくのだけど、そんな清居の「キモい」という言葉に対して平良は嫌悪感はなくて、むしろ喜んでいるまである。

・原作は平良視点で書かれているので、そのモノローグから、なんで平良は「キモい」に嫌な思いをしていないのかがリアルタイムでわかる。だけど、ドラマだと2人の性格を理解するまで少し時間がかかるので、確かに原作を知らず、強い言葉が苦手な人はここでリタイアしてしまう人もいるだろうなと気づいた。

・「ゲイって明言すると萎える読者もいる」これびっくりした。そうなんだ。

・実写BLを見ている層は多分気にしない人がほとんど。身内でも他の作品を含めた感想でも見たことない。それより左右を気にする人の方が圧倒的に多い。

・「本当は女の子が好きなんだけど、この人だけは特別っていうことに夢を追う層がいる」これは確かに、古から受け継がれているひとつのジャンル?な気がするね。

・商業BLだとわりとゲイ設定のキャラは多いので、二次創作系の人たちの方が特にそういう意識を感じる。元々、そういう対象じゃないのにカップリングしてしまう自分たちに対する卑下という文化があるので。

・恋愛対象は女性=自分も含んでいてほしいということ、も含まれるんだろうか。面倒だな。

・「カメラの紐貰って嬉しいですか?」これ、私だったら嬉しいかな。多分平良はそこそこ良いやつ選んでるし、外で撮影するなら必須のものだし。今使ってるやつが古くなってきたなら特に。

・私も初めて原作を読んだ時に、「えっここから清居目線!?」と驚いた記憶がある。あの時こんなこと思ってたんだ、そういう過去があったんだ、とこのターンで綺麗に回収されていくので、この1冊をひとつの作品と見ても、かなり読者を楽しませてくれる構造。

・人間はマイナスイメージの人が良い行動を取ると簡単に好感度があがるように、平良目線で見る清居は傲慢で気が強くてクラスの頂点に立つボスという、嫌な奴に見えるけど、実際心の中ではたくさん葛藤がある普通の男の子というギャップが、視聴者を引き込むポイント。

・「あ、そっちなんだ」これはドラマ放送当時にもよく見た感想。どっからどう見ても清居はねこちゃんだろうが。このあたりの感覚、もしかして今と出版当時の14年頃で変わってるんだろうか。

・実写になると、同い年設定だし身長差もそんなにないし、どちらかというと萩原さんのほうが可愛い系のお顔立ちだから余計にわからないんだろうか。

・気が強い自己中は受けってこれ、江戸時代から言われてるからね。

・思えば、大昔の商業BLが増え始めた90~00年代はショタ系可愛い子が受けになりがちで、10年代は気が強い美人系、20年代になってからはオメガバースの影響でまたか弱い系、いわゆる平凡系の子が増えてきた気がするね。これは完全に私の体感。

・以前も書いたけど、最近はシリアス系よりも全編甘めの方が好まれがちなのも影響しているのかな。


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