Molecular NotesをベースにしたObsidianのディレクトリ構成
TL;DR
Molecular NotesというAtomicDesignぽい考え方をベースにディレクトリを切った。ただし、日記や週報など日付に紐付いた情報取り扱うために time-series というディレクトリも切ってある。
けっこう気持ちよく書けるのでおすすめ。
具体的にはスクショみたいな感じ。
Molecular Notesとは
Robert Andrew Martin氏が個人のナレッジマネジメントのために考えたノートテイキングの手法。Atomic Designぽい。詳しくはオリジナルの Molecular Notes: Principles を読んでほしい。
以下ではかんたんに概要だけ書いておく。
Molecular Notesの目的
1.複雑なトピックを、いろいろなメディアを組み合わせながら学ぶ
YoutubeやPodcast、書籍など、さまざまな種類のメディアに素早く当たれるように、重要なコンセプトをメモしておく。
2.理解とインサイトを残す
難しい概念を理解したと思ってもそのままだと数カ月後には忘れてしまう。
思い出そうとするとまたいろいろな情報をかき集めた上で再び考える必要があり、また困難な作業をする必要がある。
思い出す作業の難易度を下げるために、理解したことや直感的なひらめきをノートに残す。
3.非線形に学ぶために、知識同士をリンクさせる。
例えば、一つの本を読むと複数の知識を得られる。その知識を独立してリンクできる形として残しておけば、べつの機会にその知識に触れたときに知識をアップデートでき、読んだ本も別の文脈と接続していることがわかるようになる。
4.新しいアイデアを創発する
Topicとしてまとめておくことによって、いろんなことを結びつけやすくする
5.より学習しやすくする
カスタマイズ可能でたのしいツールにすることで学習しようとおもうトリガーを増やす
オリジナルのディレクトリ構成
sources
任意のソースのかんたんな情報をメモしておく。大事なのはあとから辿れるようにすること。
メディアの種類は本、オンラインコース、ポッドキャスト、プレゼンテーション、とかなんでも。
atoms
概念や技術。
wikipediaへのリンクが含まれることが多いらしい
molecules
atomsを元に深堀りした洞察や自分自身の考えを書く
atoms同士のつながり
直感の断片
アイデア
topics
上記3つをすべてまとめるもの
sourcesからatomを引っ張ってきて、atomをつかってmoleculeを作って、topicでいろんなものを紐付けてまとめるイメージ。
自分が使っているディレクトリ構成
ぼくのいまのObsidianにはMolecular Notesオリジナルのsources, atoms, molecules, topicsに加えて、assets、templates, script、time-seriesという4つのディレクトリが追加されている。
assetsは画像などを管理するディレクトリ。templatesはObsidianのテンプレート機能のためのディレクトリ。scriptは自前のスクリプトを置いておくためのディレクトリ。time-seriesは日記や週報など日付に紐付いた情報を置いておくためのディレクトリ。
Molecular Notes に忠実に従うならtime-seriesは邪道なのだけど、ボンヤリ自分の考えを書こうと思うとObsidianの仕組み上まずタイトルを考える必要があり、そうなると自分の場合考えようとしていることをまずハッキリさせないといけない圧が働いて書き始める心理的なハードルが高くなってしまう。
なので雑に徒然書ける日記的なものの置き場を作って、インサイトとして独立させたくなったタイミングでMolecularにファイルを作ることにした。
使ってみてどうか?
けっこう使い心地がよい。scrapboxでは届かなかったかゆい部分に手が届く感じ。
いいところ: ディレクトリでページを管理できる
scrapboxはぼくの使い方だと知識の粒度感がバラバラになってしまいがちで情報が混乱していた。とくにぼくが書きはじめやすい徒然書くタイプのページが混じっているとノイズになりやすく、ノイズにしないためにほかツールでダラダラ書くと今度はscrapboxを開かなくなって放置してしまっていたりした。
その点、Obisidianはディレクトリで情報の粒度を管理しやすく、ノイズになる情報も避難させやすい。情報のネットワーキングもscrapboxみたいにかんたんにできる。
いいところ: markdownで書ける
普段の業務でmarkdownを書くことが多く、メモをとると自然にmarkdown記法になるのもObisidianが使いやすいポイント。scrapbox記法だとどうしても習熟するまでなにか書くのに脳を使うことになってしまう(そしていつまで経っても習熟できない)。
いいところ: ノートを育てていると意外な場所でリンクする
なにかにリンクするかもしれないな〜と思いながら雑に思いつきを書けるのもよい。エピソードを書くと、"ホラー"についてタラタラ書いていたら"不気味さ"→"懐かしさ"→"郷愁"とつながって『暇と退屈の倫理学』のなかで引用されていたハイデガーの哲学の定義に結びついたりするのはけっこう気持ち良かった。こういう気持ちよさがモチベーションになってもっとノートを育てようとも思える。
いいところ: プレーンテキストで管理できる
すべてがプレーンテキストで管理されるのもエンジニアとしては気持ちがよく、git管理との相性がいいし、git管理用のプラグインもあるので、gitリポジトリ経由で他端末と同期するのも割合かんたんにできる。プレーンテキストだから自作のスクリプトでファイルをパースしてゴニョゴニョするのもやりやすくて楽しい。
いいところ: ページの作り方で悩まなくていい
Molecular Notesの仕組みに乗っかっているので、どういう単位でページを切ればいいんだろうとか、どの単位でまとめようとかあまり考えなくていい。
もちろん多少チューニングする必要はあったけれども、Obisidianという自由度の高いツールだけを与えられてゼロから構成を考えるのは結構大変だし、ぼくは続かなかったと思う。
まとめ
Molecular Notes + Obsidian おすすめです