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石井琢磨さんの話

僕は、ピアノが好きだけど、ピアニストには詳しくない。
あまり他人に興味がないからだ。

でも、最近、生まれて初めて目標とする人が現れた。
名前は知っていたけど、ピアノを聴いたことは無かった。

その人は、石井琢磨さん。


初めて彼の弾くピアノをYouTubeで見た時、感動で震えて目が潤んだ。
生で聴いてみたい!そう思った初めてのピアニストだった。

彼のピアノはまるでピアノを優しく撫でているかのように軽やかだ。
それなのに音のひとつひとつはきちんと聞こえてくる。
優しくて美しい。

僕がこんな風に弾きたいと目指してた「ラ・カンパネラ」を彼は弾いていた。

彼の「ラ・カンパネラ」を聴いて、なんで僕はこの人を今まで知らずにいたのかと、悔しくなる位に理想のピアノを弾く人だった。
もっと早く知っていたら、僕のピアノももっと良くなってたかもしれない。


新しく出したアルバムの中に「ムーンリバー」という曲が入っていた。
映画「ティファニーで朝食を」で流れる曲だ。
僕も弾いたことがある。
今まで聴いた「ムーンリバー」の中でこれ程感動した物は無かった。
こんな風に弾けるんだ!それが最初の感想だった。
何度聴いても、綺麗すぎて目が潤む。
だってさ、情景が見えるんだもん。すごいよ。
本当に好き、石井琢磨さんはどうしてこんなにも素晴らしいピアノが弾けるんだろう。

クラシックが好きで、それを広めたいって言ってたけど、有言実行してるんだからかっこいいよなあ。
YouTubeもやってるけど、俺のピアノを聴け!みたいなチャンネルじゃなくて、とても見やすいと思う。
ウィーンでの暮らしやケーキ食べてたり。
もちろんピアノ演奏もあるけど、彼の好きな曲を弾いてるんじゃないかな?と思う。

僕は基本的にYouTubeをほとんど見ないので、あまりよく解らないけど。

不思議な事に僕の好きな曲、よく弾く曲がアルバムに入ってたり、YouTubeにある。
好みが似てるのかもしれない。

恋人も石井琢磨さんのピアノが好きだと言うけど、僕のピアノに似てるから。なんて大それた事を言う。

同じ曲でも人によって全然違う曲のように聴こえたりする。

僕の今のピアノの先生は「もっと自分の思ったように自由に弾いていいのよ」と教えてくれた。

楽譜通りにしか弾けない僕をもう一歩踏み出す勇気をくれた。
そこから、僕のピアノは優しくなったと思う。
その、優しさの部分だけは、ちょっと似てるかもしれない。


僕の周りだけかもしれないが、ピアノは力強く弾く人が人気な気だ。

なので、石井琢磨さんは珍しいタイプのピアニストだと思う。

ピアノだけ、リサイタルでチケット完売するなんてクラシックではすごいと思う。
有名なピアニストのリサイタルに何度も行ってるけど、全席埋まって無い事が多かった。
当日券も普通にあったり。

9月のオペラシティ、僕も行きたかったな。
あそこで彼のピアノ聴いたら、僕、泣いちゃうよ。


退院したら、石井琢磨さんのリサイタルに行きたいな。

僕が人生で初めて、目標としたいと思った人。

僕はやりたい事と好きな事が多くてひとつに絞れないけど、ピアノひとつに絞って一生懸命その道を貫くのは本当にかっこいい。

僕にはピアノひとつに絞る事は出来ないけど、こんなピアノが演奏出来るまで趣味でずっと弾いて行きたい。


僕には将来これをしたいという事があるので、それに向かって頑張りながら、ピアノも続けられますように。

まずは、入院前位には弾けるように練習たくさんしないとだな。

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