本当のこと

 衣食住と言う。人間生きてゆくために最低限必要なものを言う。場合によっては、人の怠惰を戒めるためにも言う。

 本当のことを言う。高級住宅に住みたいなんて言うが、あんなものは虚栄心以外の何物でもない。起きて半畳寝て一畳とまでは言わぬが、住居自体は何らの利益も生み出しませんから、出来るだけ支出は抑える方が賢明に決まっています。2LDKほどの間取りの古い集合住宅にでも暮らすのが一番宜しい。固定資産税も少なくて済みます。俺っちは課税・出費が大嫌いです。

 若い頃は、おかずがたくさんある食卓を豊かな暮らしだと思い込んでいましたが、長じるにしたがって普通の日本人が暮らすのに、一合のコメと味噌汁、それに少々の菜があれば十分だと知るようになりました。これを叶えるのにさほどの費用が掛かるとは思えません。たとえば、であります。巷の「松のや」さんで「納豆卵かけ定食」を注文します。内容はそのままで、納豆、生卵、焼き海苔、味噌汁とドンブリ飯です。味噌汁とドンブリ飯はいくら食ってもかまいません。これで250円です。人にもよるでしょうが、ドンブリ飯を朝から2杯も食うような人なら、こりゃとってもコスパがいい。俺っちなんか、これで朝昼兼用ですから、2食分が250円で済むという計算です。役人が日本の食料自給率や、栄養士が必要栄養素・カロリーなんかを云々して、人々を怖がらせようとしていますが、150年前の日本に戻ったって何らの痛痒はありませんわね。明治まで日本は日本だけで生きてきたんですからね。論点は変わりますけど、いま日本が生み出す工業製品がなくなれば困り果てるのは、むしろ諸外国の方でしょう。

 衣料なんて、若い人はそりゃ欲しいでしょうが、ある程度の年齢になると夏は涼しく、冬は暖かなものが一番で、然も一度贖えば数年は持ちますから、衣料代なんか心配するには及びません。

 酒・タバコ・自動車・ギャンブルなんかお止めなさい。保険なんか掛け捨てになさいませ。住居なんか中古の安い集合住宅をお買い上げなさいませ。これだけで人生を踏みはずす訳がありません。これでも生活苦なら、働いていないのだと思われます。ぜひ働いてください。

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