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映画 - ファヒム パリが見た奇跡

映画を観ました。「ファヒム パリが見た奇跡」。

バングラデシュから「自由 Liberté、平等 Égalité、友愛 Fraternité」の国、フランスに亡命した少年が天才的なチェスの才能のおかげで、フランスに留まることが叶った、というお話です。チェスの知識は「将棋?」程度しか持ち合わせていませんが、いち要素であって、知識がなくても楽しめます。もちろん、知識があればなおさら楽しめると思います。

あらすじをほぼ読まずに観たので、観終わったあとに実話ということに驚きます。もちろん映画化するにあたって、数年間の出来事を約2時間で語るにはフィクション要素の加味もあるとは思いますが、経緯と映画のラストは事実に基づいてるそうなので、日本という温泉のような井戸に住んでいる自分には、そんな事ほんとにある?という感想です。しかしそこに、自由であること、平等であること、友愛であること、が凝縮されています。そして、ラストに至るまでに、自由の取り違え、実際は平等ではないこと、愛のないこと、が表現されていて、ラストが際立ちます。チェスの一手のように人の一手で、運命がよくも悪くも変わってしまう、そんなことが改めて感じさせられます。

公開中ですのでお話の内容は詳しくは書きませんが。通訳、お前のことだ。

冒頭にも書きましたが、お話の内容が核心以外あらすじにほぼ書かれてしまっていることがあるので、なるべく見ないようにしています。前知識があまりない方がフラットな気持ちで楽しめるので。しかし、前知識がないお話を約2時間の枠で集中して観るのは、ノイズが多い自宅の環境では難しく、映画館という箱の中である意味拘束されて観ることの良さ、を改めて感じました。もう映画館で上映されることがなさそうな旧作は自宅でも良いのですが、新作や観たい再上映は映画館に足を運んで観ていきたいと思います。カジュアルから本物のさまざまな「自粛」があふれる中、映画館も大変かと思いますが、それ故に対策はちゃんとされているので。

あと、館内にシャワシャワ音のなる薄手のビニール袋の持ち込みは法で禁止にしてほしい。切に。

映画「ファヒム パリが見た奇跡(原題:Fahim)」
2020年8月14日公開・2019年製作・107分・フランス

監督:ピエール=フランソワ・マルタン=ラヴァル
キャスト:ジェラール・ドパルデュー、アサド・アーメッド、ミザヌル・ラハマン、イザベル・ナンティ
配給:東京テアトル、STAR CHANNEL MOVIES

公式サイト https://fahim-movie.com/


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