見出し画像

和歌山県すさみ町・武蔵野美術大学、連携協定締結イベントリポート!ーその2

2023年2月5日和歌山県すさみ町と武蔵野美術大学の連携協定を記念して、すさみ町のコミュニティ施設“イコラ”にて、トークイベントが催されました。
 
社会人院生を中心とした10名による一般社団法人“すさみの美術大学”(通称:すさび)が2023年1月19日に誕生しました。これを記念して、すさみ町・岩田勉町長、武蔵野美術大学・山崎和彦教授、すさみの美術大学石井萌代表理事が集まり行われたトークイベント。

今回は、「私たちにとってのすさみの魅力ーすさみの美術大学を設立したわけ」というテーマで、代表理事・石井萌がお話ししたプレゼンテーションの内容を、石井自らご紹介します!

イベント全体のレポートは、以下の前回記事をご覧ください。

プレゼンテーション内容

なぜ一般社団法人を作ったのか

私たちがなぜ法人を作ったのか?
それは大きなお金を稼ぐためでも、「すさみのためになんかしてあげよう」という上から目線的な発想でもありません。

純粋に、これからもずっと関わり続けたいと思ったからです。

しかし、ただすさみ町に遊びにくるだけの場所から一歩踏み出して、「自分たちがすさみで一緒にできそうなこと」に一人ひとりが挑戦したり、仲間を作って一緒にやったり。そんなことをするためには、法人にした方が活動の幅が広がるのではないか。

私たちのそんな想いをちょっとでもあらわすものとして、法人を作ることにしました。

すさびをつくる上で、大事にした3つの想い

すさびが大切にしたいのは、自分たちのためになることで、人の役に立つことです。これは、すさみの海岸で毎朝浜掃除をしているおばあちゃんから教えてもらったことです。

その教えを踏まえ、私たちは以下の3つを大事にすることにしました。

イベント当日は、すさみの方に私たちからみたすさみの魅力をお話したいと思い、人とのつながりや居場所を感じられない都会の人たちがすさみ町の人や自然と出会い心のふるさとを感じられる機会を作りたいという想いと背景についてお話しました。

すさみの魅力はたくさんありますが、大きく分けると、自然・手作り・おせっかいの3つがあります

すさみの魅力①:自然

すさみの魅力は、なんといっても海、山、川全てが揃った自然にあります。

私たちは都会で暮らしていると、娯楽をお金で買い、時間とお金を消費するような休日を過ごしていることが多いと感じています。そして、休んだはずなのに、なぜか疲れている…

しかし、すさみの自然のなかで遊ぶと、全く違う感覚なことに気づきます。
まず、なんといってもお金がほとんどかかりません。

そして、自然には正解がありません
ゲームのように決まった攻略法もなければ、娯楽施設のように人が作った遊びを決まった方法で楽しむものでもありません。
自然を観察し、自分なりに試行錯誤しながら遊び方を探索することで、身体の使い方探究心がどんどん育っていることに気づきました。

すさみの魅力②:手作り

すさみには、大型商業施設やすぐに行けるコンビニがありません。

梅干しや味噌を作ったり、DIYをしたり、庭で果物や野菜を作ったりする手作り文化や、魚や野菜をおすそわけしあう文化が残っています。

都会での生活は、何かを作るにも場所がなかったり、資源がなかったり、やり方がわからなかったり。何かが必要であれば、買うしかない生活です。

手作りをするすさみの暮らしは、自分の身の回りで手に入るものや手伝ってくれる人と、創意工夫をすることで発想力が生まれます。
足るを知り、ないものねだりをしない手触り感のある暮らしがとても心地よいことに気づきました。

すさみの魅力③:おせっかい

すさみで一番感銘を受けたことは、町のかたがたくさんおせっかいを焼いてくれることです。

すさみの方からすると、都会の人たちはかっこいい職場でかっこいい仕事をしているイメージがあるかもしれません。しかし、こんなにも人がたくさんいる東京で、孤独感を感じている人が少なくありません。自分の代わりはいくらでもいるし、様子を気にかけてくれるようなご近所づきあいもありません。

おせっかいのあるすさみ町では、日々の生活を助け合えるような人付き合いがあります。自分が助けてもらうだけではなく、周りの人のために自分ができることはなんだろう?と考えることから、自分と社会との関わりが自然と育っていきます。

仕事とは本来そのような人とのつながりから生まれたはずですが、大きな会社で働いていると仕事の本質がわからなくなっていることに気づかされました。

すさみの美術大学のビジョンと活動

すさみの美術大学(すさび)は、こうしたすさみ町のステキなところをたくさん発見し、伝え、よりステキな町にしていくために、一緒に体験して、一緒に考えて、話し合って行動していくような場と人づくりをしていきたいと思っています。

私たちひとりひとりがやってみたいことを妄想と呼んでいます。

すさみで出会ったステキな魅力から、「もっとこうなったらいいな」と妄想を膨らませ、みんなで話し合ったり、役場の方や町の方にお話しを聞かせていただいたり、一緒に取り組める事業者さんを探したり。

小さな一歩ですが、少しずつ動いています。

私たちが大事にしていることは、プロの仕事のように高い品質のものを高速で作ることではありません。

自分たちのペース、すさみのペースを大切に、無理をせず活動すること。

そして、仕事や大学ですでに経験のあることをやるだけでなく、やったことのないことに挑戦してみること。

さらに、冒頭にもあった通り、自分のためにやること。人のためにやることは長続きしません。自己中心的でありながら、人を想い利他的であることを大切にしていきます。

今後の活動予定

3/25 11:30-13:30もちまきイベント@武蔵野美術大学市ヶ谷キャンパス

武蔵野美術大学市ヶ谷キャンパス前のオープンスペースで、すさみ町で最も盛り上がる餅まきイベントを行います!

先日すさみ町で餅まきをさせていただいたのですが、これが楽しすぎて、「すさみ町のPRも兼ねてムサビでやろう!」ということになり、実施することになりました。

当日はキャンパス内にてリチャード・サッパー展も実施していますので、ぜひ遊びにいらしてください。

5/21-28 すさみ町ワーケーション(すさび合宿)

私たちがすさみ町で体験したことを、より多くの人に体験してほしい!と思い、1週間のすさみ町滞在体験を企画しています。

詳細は未定ですが、以下のような方におすすめです!
・仕事をしながらでも、地域に行ってみたい
・自分の心のふるさとと呼べる場所を作りたい
・地域×広義のデザインについて学んでみたい
・自分のできることで、他の人を喜ばせたい
・大自然を満喫したい
・お年寄りから暮らしの知恵を学びたい

平日はお仕事をしながら、時間のあるときに町に出て、すさみ町を知り、町の方と関わり、すさみ町を満喫できるような内容にする予定です。
詳細が決まり次第お知らせしますので、お待ちください!




まとめ

今回は簡単ではありますが、2/5に行ったすさみ町でのトークイベントの内容をご紹介しました!

今回の滞在では、すさみ町の皆さんの温かさを改めて感じました。いつも何かを恩返ししようと思っているのに、結局いろいろやっていただいてばかりいるのが現状です。

今回の記事を通じてすさみ町に興味を持たれた方、やってみたいことがある方、自分のできることで何か人の役に立ちたい方……

少しでもすさびに興味を持たれた方は、来月以降のイベントにもぜひご参加いただけると嬉しいです!コメントなどもお待ちしています!



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?